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秋丘芸能プロ
やがて、新幹線は東京駅に着き、二人は
山手線に乗りかえ巣鴨駅で降りました。二
人は海斗くんのスマホの地図をたよりに歩
き始めました。
「ねえ、海斗くん。その事務所、この近く
なの?」
「うん。巣鴨ってあんまり芸能事務所のイ
メージはないけどね」
「そうよね。おばあちゃんの原宿って感じ
だもん」
「その事務所の社長さん、前は京都で葬儀
社をやってたらしいんだ。」
「へえ、それで転職して芸能プロダクショ
ン作ったのね」
「初めは経営が大変だったらしいけど、青
井良平をスターにしてからは羽振りがいい
らしいぜ」
「ねえ、今日、青井良平に会えるかな」
「いや。あいつは超忙しくて事務所には
めったに来ないそうだ」
「なーんだ、つまんない」
「えーと、スマホの地図によると、あの
3階建てのビルが事務所なんだけど」
海斗くんに言われて明美さんが顔を上げ
ると、紫色のビルの3階に「秋丘芸能プ
ロダクション」と書かれた看板が目に入
りました。ー下に挿絵がありますー




