新幹線に乗って
ジリジリジリ~ン、
列車の到着を知らせるベルがけたたましく
鳴って、やがて東京行のこだま号が二人の
目の前に止まりました。二人は前方の2号
車に乗りました。日曜の早朝のせいか車内
は空いていて、二人は余裕で座ることがで
きました。座るとすぐに海斗くんが明美さ
んに話しかけました。
「そりゃあ、明美ちゃんは誰が見ても可愛
いし、面接受けたら絶対合格すると思うけ
どさあ」
確かに普通にしていても十分可愛い明美
さんが今日は気合の入ったオシャレをして
いるのです。海斗君が同性愛者でなければ
即座にフォーリンラブしていたでしょう。
「アイドルやるのも結構、大変らしいぜ」
「誰がアイドルになるって言いました?」
明美さんはすねた顔で言いました。
「じゃあ、本格派女優でも目指すのか?」
「ううん、私、マネージャーやってみたい
んだ」
「えっ、マジで?」
海斗くんがちょっと大きな声を出したので
となりの列の乗客が振り返りました。
「もちろん、海斗くん担当のマネージャー
よ。テレビ局に行って白浜海斗をバンバン
売り込んで、海斗くんを日本一の大スター
にしてやるわよ」
「あ、ありがとう、明美ちゃん」
海斗くんの目には明美さんの無邪気な笑顔
が映りました。その時、海斗くんはふと思
いました。(スターになれたらボピくんの
耳にも俺のことが届くはずだ。そうしたら
きっとまた会える。)その時、こだま号が
ゆっくりと動きだしました。
ー下に挿絵がありますー




