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面接の日の朝
今日は1月19日の日曜日の朝です。海斗
くんは浜杉駅のホームで東京行の新幹線が来
るのを待っていました。上下茶のスーツには
スパンコールがたくさんついていて、まるで
芸能人のようです。芸能事務所の面接に絶対
合格しようという気合が入っているのです。
(そろそろ、こだま号来るかな)ー海斗くん
がそう思ってホームの時計を見上げた時でし
た。ホームに続く階段をトントントンと駆け
上がって来る人影が目に入りました。
「おはよーう、海斗くーん」
なんとそれは明美さんでした。明美さんは水
色のワンピースに茶色のカーディガンをはお
り、フェルトの赤い帽子をかぶっています。
「明美ちゃん、見送りしなくていいって言っ
たろ」
「ううん、見送りじゃないの」
「えっ?」
「海斗くん、私にも芸能事務所の面接、受け
させてちょうだい」
「えええ!何だってえええ!」
ー下に挿絵がありますー




