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定時
次の日、海斗くんはいつも通りにガソリン
スタンドで働き、定時の五時に仕事を終え
ました。
「一郎先輩、お先に失礼します」
制服から私服に着替えて駐輪場に向かうと
そこには明美さんが待っていました。
「あれ、明美ちゃんも五時で上がり?」
海斗くんが尋ねると明美さんが笑って言い
ました。
「えへへ、まだ少し仕事残ってるんだけど
海斗くんに聞きたいことがあって待ってた
んだ」
「えっ?それ、何?」
「あのね、今度の日曜日、芸能事務所の面
接、どうやって行くのかなあって思って」
「ああ、朝8時の新幹線で行くよ。でも、
見送りなんてしなくていいぜ。もし合格し
ても、まだしばらくはここで働くからさ」
「そう、わかったわ。じゃあね」
そう言うと明美さんは事務所に戻っていき
ました。ーつづくー




