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ガガガガガ
「ある日、わしは朝食をすませ、いつもの
ようにボピくんに食べ物を持って行こうと
家を出て松林に向かったんじゃ。すると、
松林の方からガガガガガと何やら大きな音
がする。何だろうと思って足を速めると数
人の作業員が重機を使って松の木を倒して
いた。これは大変だと思って、わしは走り
出した。」
「リゾートホテルの建設が始まったんです
ね」と海斗くんが言いました。
「うむ。それまで、わしはホテルの建設に
ついては知らなかったんじゃよ。あわてた
わしは石につまずいて転んでしまった。ふ
と見上げるとボピくんが現場監督らしい男
にすがりついて工事を止めようとしていた。
やがて男はボピくんを片手でヒョイと持ち
上げると、松の木めがけて思いっきりブン
投げたんじゃ。わしはワーッと叫んで再び
走り出した」
「まあ、ひどい」と明美さんが泣きそうな
顔をしました。
「わしは急いでボピくんのそばに駆け寄っ
た。ボピくんは頭を打って気絶していた。
わしはボピくんを抱えて大急ぎで自宅に
戻ったんじゃ」
ーつづくー




