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前田さん
二人は前田さんのことを歩いている人に
尋ねたり、道沿いの家の呼び鈴を押して家
の人に尋ねたりして町じゅうを歩いて回り
ました。そんなふうに一時間ぐらい探した
時、ある家のおばさんが二人に教えてくれ
ました。
「ああ、そのおじいさんなら知ってるよ。
前田慶三さんのことだね」
「僕たちその人の家に行きたいんです」
「えーと、それならこの道をまっすぐ行っ
て最初の交差点を右に曲がって、三件目の
家だよ。庭に松の木があるのが目印だよ」
「おばさん、ありがとうございました」
二人はお礼を言うと教えられた道を並んで
走っていきました。
「あったわ。この家よ!」
「そうだね。表札に前田って書いてある」
二人は庭を通りぬけ玄関の呼び鈴を押しま
した。しばらくすると引き戸が開き白髪の
腰の曲がった老人が現れて言いました。
「おや、どなたですかな?」
「僕たちボピくんのことで来たんです」
海斗くんがそう答えると、おじいさんは驚
いたように目を丸くしました。
ーつづくー




