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二人で
今日は一月十二日の日曜日、時刻は朝の
八時半です。浜杉駅の北口で明美さんは茶
色のコートに緑のスカーフをして立ってい
ました。そこへ黒のジャンパーに灰色の帽
子をかぶった海斗くんがやってきました。
「やあ、ありがとう、明美ちゃん」
「ねえ、ボピくんの行方、心当たりは?」
「うん、きっと生まれ故郷の比間島に行っ
たと思うんだ。愛知県の三河湾の島さ」
「ボピくん、交通費持っていたの?」
「はっきりとはわからないけど、持ってた
んじゃないかな」
「それじゃあ、今から比間島に行くのね」
「うん、ちょっと遠いけど付き合ってくれ
るかい」
「いいわよ。一人より二人の方が心強いも
のね」
「ありがとう。恩に着るよ」
こうして二人は駅の自動販売機で名古屋ま
での切符を買うと新幹線に乗り込みました。
ーつづくー




