チャンコ番
佐和山という職員と鬼沼という太った男は
部屋の奥で何やら立ち話をしていましたが
やがて鬼沼だけがボピくんの前に机をはさ
んで腰掛けました。
「やあ、こんにちわ。わしは鬼沼河童之介
という者じゃ。」
「こんにちわ。ぼくはボピ君といいまちゅ」
「最近は君のようなヒト型妖精が増えてき
てね。そういう妖精の中には仕事を探して
も見つからないという子が多いんだ。そこ
でわしはそんな子たちを集めて妖精相撲協
会を作ったんじゃ。日本各地を回り体育館
で興行を開いているんじゃが、妖精の力士
達が増えるにつれて、チャンコ番が人手不
足になってね。君、料理が得意なんだって
ね」
「はい。いちゅも海斗くんにほめられてい
まちた」
「それはたのもしい。ぜひ、うちで働いて
くれ」
「はい。こちらこそ、よろちくお願いちま
ちゅ」
ボピくんはペコリと頭を下げました。
「ハハハ。礼儀正しいところも素晴らしい。
わしらは明日から一週間、隣の市の体育館
で大相撲妖精場所を開くんじゃ。妖精の力
士たちは体育館の近くのお寺を宿所にして
待機しておるんじゃよ」
「そうなんでちゅか」
「君にはさっそく今日からチャンコ番とし
て働いてもらうからね」
「はい、わかりまちた」
生まれ故郷の比間島に戻るつもりだったボ
ピくんでしたが、電車賃が足りなかったせ
いで妖精相撲協会に入ることになってしま
いました。
ー下に挿絵があります。ー




