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ボピくんの家出
ボピくんは涙をふきながら考えました。
(楽しかった一年半の思い出を傷つけない
ためにも今すぐここから出て行きまちょう。
そちて、故郷の比間島に戻るんでちゅ。
すみかの松林がこわされてしまいまちたか
ら生活は苦ちくなりまちゅが、あのおじい
さんに相談ちゅれば何とかなるでちょう。)
ボピくんはソファーから立ち上がり、荷物
をまとめました。荷物といっても、少しば
かりの着替えとタオルと歯磨き、それに千
円ほど入った小銭入れをカバンに詰めただ
けでした。
(よし、これで支度はできまちた。今夜は
どこかの公園で夜を明かちて、明日の朝、
比間島に向かいまちょう)
ボピくんはメモ用紙を一枚切り取ると、そ
こに文章を書きテーブルに置きました。
そして、カバンを持って部屋を出て行きま
した。その紙にはこう書かれていました。
~旅に出ます。探さないで下さい。
ぼぴくんより~
このころのボピくんは携帯電話も持ってい
ませんでした。
ーつづくー




