婿養子
海斗くんはボピくんに怒りをぶつけるよう
に言いました。
「いいかい。俺たち人間は兄弟や友人、同
級生などの回りの人間と自分を比べて、競
争しながら成長していくんだ。たとえば、
隣の奴が月給35万円で自分が25万円だっ
たら、負けちゃいられないって思ってがん
ばるんだ。そうやって努力して強くなって
いくんだよ。自分で自分をほめてたって何
にも面白くないよ。他人に負けないように
がんばるってことをやめた人間は負け組に
なって、しょぼくれて生きていくしかない
んだ」
「ボ、ボ、ボピ~」
「そもそも、君が家をこわされて行き場を
なくして困っていた時、なんでそのおじい
さんは君を家族に迎え入れてくれなっかた
んだ」
「ボピー、そのおじいさんの奥さんは妖精
ぎらいだったんでちゅ」
「奥さんを説得すればいいじゃないか」
「ボピー。おじいさんは婿養子だったので
家での立場が弱かったんでちゅ」
「ほら見ろ。結局、仏教の教えだとか何だ
とか言ったって、自分の奥さんも説得でき
ないようじゃ、たいしたことないよ」
「ボ、ボ、ボ、ボ、ボ、ピー」
自分が大切にしていたおじいさんの教えを
けなされて、ボピくんは悔しくて涙をポロ
ポロとこぼしました。ーつづくー




