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何だかわかった
「ボピくんや、わしは小便がしたくなった
ぞ。かわりに出して来てくれんか」
「ボピー、そんなことできまちぇん」
「ハハハ。そうじゃろう。他人に小便を代
わりに出してもらえないのと同様に、自分
の人生を他人に代わってもらうこともでき
んのじゃ。それなのになぜ他人の生き方を
基準にして自分の人生を測ろうとするの
じゃ」
「ボ、ボピー」
「自分がよい生き方をしているかどうかは
自分自身の心を基準にして測ればよい。他
人をうらやましがることはないんじゃよ」
「ボ、ボピー」
「ボピくんは家族がいなくても一人で立派
に生きてきた。それについては自分で自分
をほめてやっていいんじゃよ」
「ボピー!おじいさん、ボク、何だかわ
かったような気がしまちゅ」
ボピくんの3年前の回想がおわる。ー
つづく




