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ボピくんの生まれた島
さて、ここでボピくんについてもう少
しご説明しましょう。ボピくんは愛知県
の比間島という小さな島で生まれた妖精
です。生まれたと言っても両親から生ま
れたのではありません。陰のエネルギー
の波と陽のエネルギーの波が絶妙に交錯
し、ある日ポコンと生まれたのです。
ちょうど、素粒子が生まれるのに似てい
ます。
この世に突然、一人ぼっちで放り出さ
れたボピくんは、島に住む前田という老
人から食べ物や着る物をめぐんでもらい
ながら、海辺の松林に小さな家を建てて
平和に暮らしていました。前田さんはボ
ピくんに言葉も教えてくれました。
そんな暮らしを二十年ほど続けていた
のですが、その島にリゾートホテルを建
てる計画ができたのです。そしてある日
ボピくんの暮らす松林に工事用の重機五
台と十五人の作業員がやってきて、松の
木を次々と切り始めたのです。
ボピくんは「やめてくだちゃい、やめ
てくだちゃ」と泣きながら現場監督の男
の足にすがりつきました。すると、男は
「これが俺たちの仕事なんだ。やめるわ
けにはいかないよ。」と言いました。
ボピくんはポケットからビー玉を出して
「この宝物をあげまちゅから、やめてく
だちゃい」と言いました。
下に挿絵があります。




