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相談
「私ったら、よっぽど海斗くんのことが心
配だったのね。あんな変な夢を見るなんて
どうかしてるわ」
明美さんがシートベルトをしめようとし
たとき、スマホが鳴りました。海斗くんか
らです。
「もしもし、明美です」
「ああ、明美ちゃん。社長から聞いたよ。
俺の代役、甘畑さんに頼んでくれたんだっ
てね」
「ええ。無事に収録できたわよ」
「ありがとう。ところで、さっきボピくん
が俺の部屋に来たんだよ」
「えっ!ボピくんって前に海斗くんが浜杉
市で一緒に暮らしてたヒト型妖精でしょ。
家出しちゃったから、私たち二人で比間島
まで探しに行ったのよね」
「そうだよ。びっくりしたけど、うれし
かった」
「わあ、私も会いたかったなあ。」
「また来るって言ってたから、そのうち会
えるよ。ところで、明日の午前中、俺、仕
事ないよね。」
「ええ、ないわよ」
「折り入って、相談したいことがあるんだ。
朝8時に俺の部屋まで来てくれないかな」
「ええ、いいけど、どんなこと?」
「その~、俺の体のことで、ちょっと電話
では言えないことなんだ」
「わかったわ、明日の朝8時ね」
通話を終えた明美さんは、妙な気持にな
りました。
「まさか、さっきの変な夢が正夢なんてこ
とはないわよね」
ーつづくー




