明美さんの悩み
次の日、ここはガソリンスタンドの事務
室です。時刻は午後の五時少し前。中年で
小太りの店長が書類を持って明美さんの机
に近づいて来ました。
「明美ちゃん、この計算間違っているよ」
「あっ、すみません、店長。すぐやり直し
ます」
「明美ちゃん、このごろ元気ないよ。何か
悩みでもあるのかい?」
「いいえ、大丈夫です」
そう言うと明美さんは顔を隠すようにうつ
むいて書類の計算にかかりました。
「店長。できました」
「うん、今度は良さそうだな」
その時、事務室の柱時計がポーンポーンと
鳴って五時を知らせました。
「明美ちゃんは今日は早番だったね。時間
だからあがっていいよ」
「はい。では、店長、お先に失礼します」
更衣室で店の制服からピンクの私服に着替
えながら明美さんはため息をつきました。
「あーあ。海斗くんのお弁当、本当に誰が
作っているのかなあ。やっぱり、奥さん
がいるのかなあ」
着替えが終わると明美さんは決心しました。
(これ以上悩んでいてもしょうがないわ。
思い切って一歩前に踏み出さなきゃ)
どうやら明美さんは海斗くんに想いを寄せ
ているようです。~下に挿絵があります。




