最弱のあいつ
今、私は街の外の草原にいます。キャラクリエイトの時にいた草原とは違い石畳で作られた道があり、道から少し外れたところには森も見えます
それで今私がここで何をしているのかというと…
「いた!」
そこに居たのは、体が半透明な青い球体でできていて、体内には何か小さなものが浮いているのが見える。その体をポヨンポヨンと弾ませて動いているのは、そう、皆さんご存知スライムさんである!
草原にはモンスターを倒しに来たのだけど、草原の辺り一面にプレイヤーがいてリポップしたモンスターの争奪戦のようになっていたので、街からかなり遠くの人気のないところまでやってきたというわけだ
「狙って…[ファイア]!」
放たれた火球はまっすぐスライムに向かっていって…
パァン!
という破裂音が鳴り、スライムは弾け飛んでいた
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ーーースライムを倒した!ーーー
EXPを1獲得
スライムゼリーを手に入れた
モンスター図鑑が解放されました
モンスター図鑑にスライムを登録しました
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「ワンパン…さすがスライム…」
あまりの弱さに苦笑いをこぼしながら戦利品を確認する
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スライムゼリー
ランクE 品質46[普通]
スライムの体液。触るとプニプニしている。
ゼリーと名前にあるが、食べられない。
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「何に使うんだろこれ…」
アイテムボックスから取り出して触ってみると、たしかにプニプニしている。あと少しひんやりしていて、結構病みつきになりそうだ
「まあいいか。次のモンスター探そ」
スライムゼリーをアイテムボックスにしまい直して、もう少し周りを探索することにした
▶▶▶
「MPが無くなっちゃった」
視界の端にある簡易ステータスに目を向ける
HP<▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒>
MP<---------->
見ての通りMPはすっからかんだ。街でMPは全回復していたので、正確には数値上1/25のこっているはずだが、やはり簡易ステータスだと大雑把にしか分からないようだ
「そういえば最初にスライム倒した時に出てたモンスター図鑑ってなんのことだろう」
スライムゼリーに気を取られて忘れていた。すべてあの魔性のプニプニが悪いんだ、私は悪くない
メニューを開き、新たに開放されたモンスター図鑑の項目を開くと、モンスターらしきシルエットがズラーーーっと並んだ画面が現れた。No1と表示された項目には、先程まで(一方的に)戦っていたスライムが表示されていた。どうやら倒したことのあるモンスターの情報をここで見ることが出来るらしい
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スライム
討伐数 8体
生息地 ソル草原 等
ステータス
HP10 MP5
筋力3 魔力3
物防3 魔防3
敏捷1 器用1
精神3 運3
スキル
戦 [体当たり]
パッシブ [弾力]
[体当たり]
消費MP0
筋力依存の攻撃
[弾力]
打撃属性のダメージをカットする
最弱のモンスター。様々な環境に適応した変異種がおり、中には強力な力を持つものもいる
??? [解放条件]スライムを合計15体倒す
??? スライムを合計50体倒す
??? スライムを合計100体倒す
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「なるほど、倒せば倒すほど情報が公開されていくのかな?」
コレクターとしては見過ごせない。是非とも図鑑コンプリートを目指したいものだ