表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第3章〜緊急事態!!〜
94/95

第94話 陽光Ⅲ

 ショッピングモール。そこにはおしゃれな服装をした人、先のとんがった靴を履いた人、やけに(つば)が広い帽子を被った人、様々な人がいる。

 まあ、そんなのんきな話をしている暇もなく、現在進行形でその人たちは目の前に現れたタイムイーターというバケモノに恐れおののいていた。

 バケモノがいる一階にはシンベル学園の制服を着た少年が戦っているが、苦戦している様子だ。このままではここにいるみんながあのバケモノに殺されてしまう。そんな絶望感を感じていた。

 そんな危機感を(かも)し出す危険な空間に、この場に似つかわしくない軍服を纏った女性が二人、脚に不思議な光を絡ませながら猛スピードでショッピングモールの屋上に到着した。


「はい、私の勝ちー」

「ちょっとズルいですよ! 移動途中、空中で邪魔してきましたよね!?」


 屋上に飛んできたのは由紀とその同僚だ。相も変わらずどうでもいい討論が繰り広げられている。

  

「あれぇ? ハンターなら空中戦の訓練もしてると思うんだけどぉ。もしかしてやったことないのかなぁ」

「馬鹿にしないでください! 私だって訓練したことありますよ!」


 由紀の同僚は激情して顔が赤くなっている。が、さすがはハンター。何のためにこの場所に来たのかは忘れていない。


「‥‥‥はあ、そんなことよりタイムイーターは‥‥‥」

「ああ、それなら一階で学生が戦ってるよ」

「にゃ!?」


 同僚は素っ頓狂な声を上げてしまう。

 そう、二人が屋上から見下ろした先にはステージⅢのタイムイーターを相手に学生が戦闘していた。


「由紀、何やってるんですか! 早くあの少年を助けに行かないと!」

「う~ん、もうちょっと見てたいかな」

 

 歩夢もここまで成長したのか、感心感心。

 由紀には分かっていた。下で戦っているのは弟の歩夢だということを。目で見てハッキリと分かったが、それ以前に空気で分かっていた。


「はぁ!?」

「そうか、憶えてないか」

「何が!?」

 

 冷静な由紀と激昂(げきこう)する同僚。

 

「一階にいる学生は歩夢だよ」

「‥‥‥歩夢君って、由紀の弟の」 

「そうだよ」


 少し落ち着いたようだ。

 大分昔の話だが、由紀が歩夢のことを拾ってきてから四年ほど経ったころ今の同僚に、新しく弟ができたと見せたことがあった。


「でも、でも歩夢君だったとしてもステージⅢのタイムイーターは‥‥‥」

「さあ、どうかな。それを確認するには見た方が早いかな」


 由紀の顔には『自信』の言葉が貼り付いていた。なんせ自身が育て上げた弟だ。負けるような柔な育て方はしていない。 


「あぶないッ!」 

面白いと思ったらブクマ登録、感想お願いします!

よろしければこの後、僕の新作小説『大原さんは俺にだけ敬語を使う』を読んでいきませんか?

現在第五話まで更新しています。

今後ともよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ