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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第3章〜緊急事態!!〜
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第68話 覚醒Ⅵ


 視界が真っ白だ。ぼやけて何にも見えない。

 俺は死んじまったのか・・・・?

 感覚器官が麻痺(まひ)した時のように、全く身体が思い通りに動かない。

 藤田はどうなったんだろうな・・・・。


「痛っ!」


 突然のことだ。腹の辺りに激痛が走る。

 俺は反射で腹を押さえて腰を浮かす。

 

「兄さん!?」

 

 ルイの声だ。

 どうやら俺はベッドに寝かされているらしい。

 いつの間に俺は患者になったんだ?


「おはよう・・・」

「ナナ、モモ、先生!! 兄さんが意識を戻しました!!」


 ルイの大きな声が聞こえる。

 どうやら俺は、死んでなかったようだな。

 安心して後ろに体重をかけて頭を枕に沈める。


「歩夢!!」

「歩夢兄さん!!」

「・・・・・・・」


 楓、優里、佐々奈先生の順で俺のところに走ってくる。

 あ、訂正です。佐々奈先生は走ってません、歩いてました。

 

「心配したんだからぁぁ!」

「おいおい泣くなよ」

「あぁぁ!」

「痛い痛い」


 楓が、寝ている俺の身体にダイブして泣きじゃくる。

 身体に激痛が走るが、ここは楓の為に我慢する。

 俺の為に待っててくれたんだからな。

 楓を()がしていると、少し怒った顔をした優里が見える。


「歩夢兄さんは無茶しすぎです」

「あいつの目的は俺だったんだ。被害を他に出すことは俺自身が許さなかった」

「それは正しい判断ですが、ケガを治すの大変だったんですから!」


 優里にそう言われて腕や脚を見ると、痛みは少しあるが外傷は完全に治っていた。

 

「もしかして外傷が治ってるのって、優里がやってくれたのか?」

「はい」

「桃坂が応急処置しなかったら、今頃お前は死んでただろうな」


 部屋の壁に背を(もた)れさせていた佐々奈先生が、いきなり喋りだす。

 話に入る機会を(うかが)っていたようだ。

 まったく、先生はシャイだなー。

 ギロリ。

 先生の眼光が俺の胸を射抜く。

 ごめんなさい、先生は格好いいです。いや、超格好いいです!

 それでよし、という顔で先生が眼光を俺から外す。

 はぁ、人の心を読み取るのは反則だよ。

 そんなことより、優里にちゃんと礼を言わないとな。


「ありがとな」

「そんなの当然です。兄の為に力を尽くすのは妹の役目ですから」

「そうだ」

「何ですか?」

「優里は命の恩人だ。何か一つ願い事叶えてやる。まあ、俺のできる範囲でだけどな」

「それなら・・・・」

「何でも言ってくれ」


 沈黙の間がしばらく続く。


「それなら、歩夢兄さんの正式な妹になりたいです!!」

「妹か・・・・俺は何にも気にしないけど」

「本当ですか!?」

「本当だ。でも、ルイがどう思うかが心配だな。ルイ」

「どうしたの、兄さん?」

「優里が俺の正式な妹になりたいって言って――」

「ルイの妹ポジションは譲れない!!」


 即答ですか・・・・。

 結局最後は「休みの日に2人でお出掛け」に決まった。

 


 

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