第64話 覚醒Ⅱ
妹なんかたくさんいても大変なだけだからね。
学校では礼儀正しくしてても、家に帰ってきた瞬間獰猛になるからな。
あれは何故なんだ?
そんなことを考えながら、俺は妹たちと一緒に校舎を出て校門を出ようとしていたその時だった。
「校内のグラウンドにてタイムイーターステージⅡの生体反応を確認!! 先生方はすぐに向かってください!! 繰り返します。校内の―――」
サイレンと一緒にアナウンスが入る。
いったい何だ!?
3人もかなり動揺しているのが顔から読み取れる。
「兄さん?」
ルイが俺の顔から何かを読み取ったようだ。
ここからグラウンドまでは全速力で走って5秒。
「先生たちが来るまで俺が戦う」
「ダメだよ兄さん!」
「無茶すぎる」
「ケガじゃ済まないかもしれないんですよ!」
3人とも心配の声を掛けてくれるが、もう待ってはいられない。
こんなことをしている時間に、危険にさらされている人がいるかもしれないからだ。
「お前たちは来るなよ!」
そう言ってグラウンドまで走る。
グラウンドに着いてはじめに聞こえたのは、俺を呼ぶ声だった。
「坂口坂口坂口坂口・・・・・サカグチアユムはどこだぁぁぁ!!」
この声、どこかで聞いたことある声だ。
そんなことより、まだ誰も被害にあっていなくて何よりだ。
外見は完全にタイムイーターだが、言葉を発することから自我があることが推測することができる。
さっきから思うんだけど、あのタイムイーターは何で俺の名前を知っているんだ?
「ここに居るよ」
ぎろりとこちらに振り向き、目と目が合う。
勉強で見たとはいっても、面と向かって見るとぞわっとして鳥肌が立つ。
「ワカルカ?」
「なにが?」
「オレのことだよ!!」
かなり情緒不安定のようだ。
やっぱり胸に引っ掛かるな。この声、絶対に聞いたことがあるはずなんだけどな。
その時、脳裏にある一人の声が頭に響いた。「坂口歩夢!! 俺は絶対にお前より強い!!」「主席がそんなに偉いのかよ!!」
!? もしかして、今俺の眼の前にいるのは藤田なのか!?
「藤田・・・・・お前・・・・・」
「やっと気づいたか。キョウシたちが来る前にちゃちゃっと終わらせようぜ」
「そこまで俺を怨むか・・・・?」
「ああ、お前はオレからしたらジャマモノだ!! いますぐ消してやる!!」
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