第6話 空谷の跫音みたいな?Ⅰ
自主トレーニングといっても、簡単なことしかしていない。
腕立て伏せ100回、上体起こし100回、反復横跳び150回。これが、俺の基本時の自主トレーニングメニューだ。基本時ではない日、つまり、何故か今日はモチベーションが高いなど、姉さんに「もっと鍛えろ」と言われたときは、基本時のメニューを2倍したトレーニングをしている。
物心がついた時からやっているので、特に怠いとは思わない。むしろ、トレーニングをしないとその日の体がうまく動かないので、気持ち悪くなってしまう。
強さが実力を示す。姉さんが、俺にいつも言い聞かせてくれていることだ。ハンターの中で生き延びていくなら、強さが最も必要になる。タイムイーターと戦う身として、死は覚悟している。しかし、死ぬよりは生き延びる方が良いに決まっている。
強くなることを意識して、自主トレーニングをこなしていく。
筋肉マニアではないので、服は当然着ている。汗をかいて、汚れてしまうのは仕方がないことだ。後で洗濯すればいい話だ。
「お昼までは、あとちょっとだな」
最後のメニューの反復横跳びをしながら、時計を見る。
お昼の昼食は、食堂で食べる決まりだ。毎日食事の内容は違っているが、おかわりができないのが少し悲しいと思う。
12時ピッタリに始まるので、時計を見ながら反復横跳びを続ける。
「145、146、147、148、149、150!」
息を上げながらタオルを取る。トレーニングは全て休憩なしでやっているので、最後になってくると息が上がってしまう。
姉さんぐらいのレベルになってくると、俺のメニューの5倍やっても息が上がるか上がらないかの所らしい。
本当に尊敬する。体力のなさは、俺のコンプレックスでもあるので早く克服しないとなぁ。
「よしっ! 今日は何かな~」
体の汗を拭き終わってから、スキップ気分で食堂に向かう。
食堂で昼食を済ませたら、すぐに訓練が始まる。午後からの訓練の方が午前よりもキツイので、食事で気合いを入れる。
「俺が一番に食べる~」
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