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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第2章〜外の世界を知る〜
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第59話 妹の励みⅠ


 俺たちは昼食を終えて教室に戻っていた。

 楓が横でお腹を押さえているが、これはいつものことだ。 


「食べ過ぎた」

「毎日同じこと繰り返すなよ」

「私は甘い物には目が無い」


 無さすぎるだろ!

 人に言える立場じゃないけど、栄養バランスは大切だぞ。


「授業はちゃんと聞くんだぞ」

「それは当たり前だよ」


 こういう所が真面目なんだよなぁ。

 授業を聞かない奴なんかが、ハンターになれるほど甘い世界ではないことを理解している顔だ。

 教室の前のドアが開く。

 

「授業始めるぞ」

 

 速水先生だ。

 クラスのみんなが自分の席に着き始める。

 先生の授業は分かりやすいし、聞いていて楽しいので(おぼ)えやすい。俺みたいに速水先生に好印象を持っている人は少なくはないはずだ。

 

「それでは前のモニターに注目してくれ。これは――」



♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢


 俺が教室で授業を受けていたその頃、妹のルイは第一アリーナで剣の実技講習を受けていた。

 担当の先生は佐々奈先生だ。


「モモが兄さんに助けられた?」

「うん。あっという間に大人の男性を2人倒しちゃったんだよ」

「だから先に行けって言ったのか・・・・」

「どうしたの琉衣?」

「いや! 何でもない!」


 話を中断して剣の稽古に戻る。

 さすがは兄さん、優先順位をちゃんと理解してる。

 ルイが先ほどから話している相手は、今朝(けさ)俺が助けた桃坂優里さんだ。

 

「次は実際にペアの相手と剣を合わせてみろ」

『はい!』


 やっぱり試験のときとは言葉遣いが全く違うなぁ。

 怒られるのが怖いので、佐々奈先生の授業ではクラスの雰囲気がピシッと締まる。 


「それでは・・・・始め!」


 ルイが脚を前に出すと同時に、モモも剣を構えて前に進む。


「ハァ!!」

「っ!?」


 思い切り振ると限度がつかないので、ルイは相手の攻撃を受けることにした。が、いざ受けてみると意外に威力が大きかったことに目を見開く。

 身体も大きいし、パワー型なのは当然なの忘れてた。


「今度はルイから!」


 負けていられない。こちらも入学試験2位の結果を持っている限り、そう簡単に弱いとは思われる訳にはいかない。

 本気でいっても大丈夫でしょ!

 モモがパワー型ということはさっき分かったので、ルイも本気で剣を振りかぶる。

 そして、その剣がモモの剣とぶつかったとき、かなりの衝撃で手が(しび)れると思っていたが、手に衝撃が走ることはなかった・・・・。

 そうだ、そんなことが起きるのは何故か。

 その理由は一つだ。


「あ、折れた・・・・」


 ルイの持っている剣は真っ二つに折れていた。

 

 


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