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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第2章〜外の世界を知る〜
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第57話 仲良くなりたいⅡ


 シンベル学園の食堂は南校舎の一階にある。俺たちが普段勉強している教室は、基本北校舎にあるので食堂に行くときは一階に下りて、南校舎に行かないといけない。 

 俺たちは今、南校舎に入ろうとしている最中だ。


「皆さん早いですね」


 まだチャイムが鳴ってから5分ほどしか経っていないのに、すでに食堂には多くの生徒が席に着いて昼食をとっていた。

 慣れた動きで、学生証を特殊な認証機械にかざして食堂に入る。


「昼休みの時間も限られてるしな。ある意味、食堂は戦場だ」

「歩夢、遠い目になってるよ」

「ハッ!」


 意識が現実に引き戻る。

 ハンター寮の食堂を思い出していたら、いつの間にか意識が飛んでいた。

 あの頃に戻りたくないって言ったら、嘘になるな。


「先に食べ物確保する?」

「先にしましょう」

「いいよ」


 この食堂はバイキング形式になっているので、好きなものを取りたいのなら他の人に取られる前に自分がとるしかない。

 一応、食べ物の追加もあるのだが、さっきも言った通り昼休みの時間は決まっている。なので、先に食べ物を確保しておく方が(かしこ)いと思う。

 俺たちは各自で好きなものを取って、座るための席を探していた。

 

「あそこの席が空いてますよ」

「そこにしよう」


 シズさんは視野が広いな。

 俺の見ていた方向の左にちょうど空いているテーブルがあったので、そこに俺たちは腰を下ろす。

 ここの食堂のほとんどのテーブルが四人テーブルになっているので、一人で行くことはあまりおススメしない。

 疎外感がぱねぇからな。

 その為にも友好関係を深めることは大切なことの一つだ。


「楓、いつも言ってるけどその食事身体に悪いぞ」

「歩夢にそれ言われたくないよ」

「二人とも栄養が(かたよ)ってますね」


 楓と俺は食堂に来ると、毎回同じ食事をとる。楓はショートケーキなどのデザート中心の甘い物だけで、俺は身体をつくるために九割が肉類で埋まっている。

 比べてシズさんのプレートには、緑黄色野菜が所せましと盛り付けられており、俺たちとの栄養バランスは比べものにならない。

 シズさんに言われて初めて気付いた。

 確かに栄養偏ってるわ・・・・。


「ちょっと野菜取ってくる」

「あ、ちょっと待って! 私もバナナとか取ってくる!」


 肉類だけではダメだと判断して、野菜を取りに行こうとしたら何故か楓も付いてきた。

 シズさんはその様子を見て、優しい笑みをこぼした。

  

「何取りに来たんだ?」

「バナナだけど」


 マジかよ・・・・。

 楓、言っておくがバナナの糖質も意外と高いんだぞ。 

  

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