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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第2章〜外の世界を知る〜
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第42話 まさかの誘い?Ⅳ


 兵士さんがルイの身体を上から下までくまなくチェックする。

 俺もあれされるのか、恥ずかしいな。 


「問題ありません。ご協力ありがとうございました」


 ルイは軽く10秒くらいで終わる。

 次俺かぁ、まあ危険なもの何も持ってないから別に心配はないけどさ。


「失礼します」


 ち、近い!

 兵士さんの胸の部分の鎧が当たってるから! 

 至近距離で甘い匂いがするので、俺はすぐに鼻呼吸を止める。

 俺は顔を赤くして終わるのを待っていると、最終確認として兵士さんの手が俺の腕に伸びる。


「これは!!」


 途端、兵士さんが目を開くと同時に剣が抜かれて水平に素早い軌道を見せる。


「!?」


 あぶなっ!

 動体視力と反射神経のおかげで、身体を後ろに倒してギリギリ(かわ)す。


「お客さんに何てことするの!?」

「お嬢様気を付けてください! 腕の辺りに、鋭利なナイフを隠し持っています!」

「そんな訳・・・・!」


 あ、やらかした。

 やっぱり小さい頃からしてきた癖は抜けないなぁ。

 ハンター寮では、廊下で歩いている時でも油断してはいけない。なぜなら突然先輩が襲ってきて、稽古開始っていうのもざらにあったからだ。

 その時の癖で、今でも服の袖にナイフを入れてるの完全に忘れてたー。俺からしたら当たり前だから思いつくわけないじゃん。


「これは、違うんです。いつもの癖で入れてるっていうか、入ってたっていうか・・・・・・」


 袖からナイフを取り出して説明しようとすると、兵士さんが楓を連れて後退(あとずさ)りする。

 もしかして、今の俺って不審者? 

 何とか疑いを晴らすために近づく。


「お嬢様に何をするつもりですか!」

「何もしないですよ。それより一つだけ言いたいことがあるんですけど、言ってもいいですか?」

「何ですか?」


 楓との関係は絶対に大事にしないといけない。そのためにも早く勘違いを解かないとな。

 はぁー、やっと言えるよ。


「これ、()()ナイフです」


 先端部分を指で曲げて、ゴムナイフであることを証明する。

 すると、兵士さんの表情が一変して


「失礼しました!!」


 俺に向かって勢いよく頭を下げた。

 え? どうしたの?

 勘違いを解くために言ったことが相手に頭を下げさせる結果になって、こっちまで申し訳ない気持ちになってくる。


「あの、ごめんなさい。顔上げてください。こんな変なもの持ってた俺が悪いんです」

「私が悪いんです! 失礼しました!」


 顔を上げてくれたと思ったら、すぐに頭を下げる。

 その後、この動作が1時間続くとは誰も思わなかっただろう。

 


 

 

 

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