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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第2章〜外の世界を知る〜
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第39話 まさかの誘い?Ⅰ


 表側には、俺がシンベル学園の生徒だということが証明できるように、複雑なQRコードとその横に俺の写真があった。

 先生は全員に配り終わって教卓に戻る。


「それはお前たちの学生証だ。学園内の食堂、図書館などの場所に入るときに必要になるからちゃんと覚えておけよ。あと、身分証明書としても使えるから便利だと思うぞ」


 確かにこの学生証は便利だけど、さっき先生が言ってた中で気になることがあるんだけど。

 食堂や図書館に入るときに学生証が必要になるってことは、部外者の立ち入りがほぼ無理になっているということだ。でも、QRコードって所が少し不安だな。

 そのQRコードまたは学生証が悪い人の手に回っていたら、その人たちの立ち入りを簡単に許してしまうことになる。

 そういう所はノータッチなのかな?

 (まよ)うなら行動に移す。この際、質問した方が良いな。


「先生、質問いいですか?」

「お、どうした? 言ってみろ」

「QRコード以外に本人を確認する方法ってないんですか? それが無かったら、部外者が入ってくる可能性があると思うんですけど」

「確かに無かったらそうなるな。だが、その心配はない。学園内のあらゆる場所には、監視カメラが24時間作動している」

「それは、その監視カメラの中に先生や生徒の情報が入っているということですか?」

「その通りだ。よくそこまで考えれたな」

「ありがとうございます。それだったら安心ですね」


 機械に頼っているという所が唯一(ゆいいつ)の不安点だが、完璧が難しいことは分かっている。

 その後学生証の説明が少しあり、明日の予定を聞いて今日のところは終了した。

 明日は何かの測定があって、そのあと実技講習があるらしい。

 ちなみに、実技の時には制服から実技服に着替える。実技服のデザインは制服とあまり変わらず、女子のプリーツスカートがズボンになっているくらいだ。結構サイズはピッタリしているので、身体の線がはっきりと出る。

 恥ずかしいけど、そこは我慢しよう。

 実技を(おこた)ると実力がつかないからな。


「歩夢、一緒に帰る?」

 

 明日のことを考えていると、楓から声がかかった。

 クラスを見渡してみると、今残っているのは俺と楓だけだった。

 みんな帰るの早すぎ。

 シズさんと話して、少しだけでも仲を深めたかったんだけどなぁ。


「今妹を待ってるから、それからだったら一緒に帰れるぞ。どうする?」

「琉衣?」


 疑問を疑問で返すのやめぃ。


「確かに俺の妹はルイだけど・・・・」

「待つ」


 

 

 

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