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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第2章〜外の世界を知る〜
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第25話 入学試験Ⅵ


「そろそろ試験に戻りませんか?」

「そ、そうだな」

(本気で戦っていいのか? 相手は先輩の妹さんなのに)

「では、始め!」


 受験者側が合図を出すって、そんなことあっていいのか?

 ルイは近距離戦にするために、先生の方に向かって脚を走らせる。


「・・・・・先生の動きが鈍くなってる?」

(先輩、私どうしたら、どうしたら・・・・)


 絶賛佐々奈先生はパニックになっていた。

 これでは本気で戦えないと思ってルイは、


「先生、真面目にお願いします。ここで合格できなかったら、姉さんに顔見せられなくなります」


 こう言い放った。

 先生に「真面目にお願いします」なんて言えるのって、ルイくらいの肝が据わった子じゃないと言えないぞ。

 いつの間に精神面も強くなったんだ。まあいい、妹の成長は普通に嬉しい。


「分かった。ちゃんと相手をしてやろう」

(先輩の顔を潰さないためには、ちゃんと戦っていいってことだよね。先輩の妹さんの為だ、ここはちゃんと相手をしないと)

「行きます!」


 細かい砂煙を上げて、ダッシュで正面から攻撃を仕掛けに行く。

 様子を見るに、先生は攻めではなく完全に受けに回ったな。


(は、速い・・・・!)


 先生はルイの攻撃を受けきれずに厳しい顔をする。

 ルイが押してるな。先生は本気で戦ってないから、まあ当然か。


(さすがは先輩の妹さん・・・・・! 攻撃が速い・・・・・!)


 今先生は、自分の実力の60パーセントでルイの相手をしている。しかし、ルイの攻撃が見切れていない。つまり、ルイは天才・鬼才に分類されるレベルの子だということを、佐々奈先生は直感的に悟った。

 観客席も大分()いてきたな。「あの子、絶対に主席決定だな」「かわいくて強い、結婚して欲しいわ」「佐々奈先生相手にあの動きはヤバすぎだろ!」など、ルイが人気者になっている。約1名聞き逃せない奴が居たのでとりあえず眼で()っておく。

 妹をやるわけないだろ!


「5分が経ちましたので、戦闘を中止してください」

  

 試験終了のブザーと同時にアナウンスが入る。 

 え、もう終わり? という顔でルイがスピーカーの方に眼をやる。

 5分は短かったな。


「坂口琉衣と言ったか。間違いなくお前は合格だ」

(あのまま続けていたら、絶対に私は痛い1撃を喰らっていた。こんな天才な子と会ったのは、これが初めてだ)



 

 


 



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