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一夜で世界が終わるとしたら  作者: 烏猫秋
第1章〜環境がおかしい〜
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第19話 解放される


 毎日が過ぎるのが、早いと感じる人は多いだろう。俺自身は毎日ほとんど同じことの繰り返しなので、過去を振り返ってみると()()が経つのは早いなぁ~ってよく思う。時間が経つのが早く感じる、これをポジティブに考えると、毎日が充実していると考えることもできる。

 これを聞いて「全然、充実してねえよ!」と思った方に一言言わせてもらう。


「ポジティブシンキング! ポジティブシンキング!」


 笑ってくれたかな?

 もし、笑ってくれたのなら君は幸せものだ。 

 まあそんな話は端に置いて、今日は初めて外に出る記念の日だ。


「ちゃんと礼儀正しくしてくるのよ!」

「分かってるって」

「それ言うの何回目?」


 俺たちのことを心配して、注意してくれるのはありがたいことなんだけど、姉さんの息が熱い。

 近すぎだって。

 大体の荷物は全てあっちの家に送られているそうなので、ほぼ手ぶら状態で外に出ることになる。途中で手持ち無沙汰(ぶさた)になるのは嫌だが、そこは考えて何とかしよう。


「そろそろ時間だよ」

「いよいよね」

「いざとなると緊張してきた」

「何でアユが緊張するのよ。胸張って出ていきなさいよ」

「そうだな! 胸張って行こう!」


 ドンと胸を叩いて、気合いを入れる。

 入学試験は明日なので、最悪明日に出ても間に合うが慌てて行くよりも、気持ちを落ち着けて試験に向かう方が良いのは分かっている話だ。

 あと、筆記試験の『心身学』の復習もしておきたいしな。


「じゃあ、行くね・・・・・・」


 バイバイの手を上げようとしたら、姉さんが膝を曲げて俺とルイをまとめてギュッと抱きしめた。

 本当に過保護な姉さんだな。

 まあ、強い姉さんが居るから安心して過ごせるんだけどさぁ。


「行ってらっしゃい」


 優しく耳元で言われる。

 息にビクッと身体が反応してしまう。

 こそばいからやめて~。

 しばらくして、姉さんが抱擁をやめて立ち上がる。


「私の姉弟(きょうだい)ってこと、忘れたら承知しないわよ~」

「そんなこと分かってるよ」

「姉さん、時間時間」

「あっ、ごめん。さあ行って行って」


 時間を見ると、予定出発時間から30分が経っていた。

 さっきから心臓がドクドクしているので、深呼吸で心を整える。

 ふぅ~、じゃあ。


『行ってきます!』


 笑顔を咲かせて、俺たちは外の世界に足を踏み出した。 

 

 


 


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