第18話 歩夢の初耳Ⅳ
「こんな夜にどうしたの?」
「・・・・・・その前に1ついいか?」
「なに?」
「この前、パジャマ着るなって言ったような気がするんだが・・・・・」
部屋に入ってルイの姿を見たときから気になっていた。
何でうさ耳のパジャマを着ているんだ?
ルイが着ているパジャマの柄は水玉模様のかわいいものだ。ルイの背丈は俺とあまり変わらないので、水玉のパジャマが少し違和感を感じさせる。
あと、うさ耳を定期的にぴょこぴょこ動かすの、かわいいからやめて。
「寝るときはパジャマ、これは基本だよ」
「まあ、まだ子供だもんな」
「立派な大人だよ! 姉さんみたいに胸も出てきたし!」
「やめろ! 胸は粗末にするものじゃないぞ」
自分が子供だと言われたのが不満なのか、主張するように突然胸を押し付けてくる。
こういう所が子供なんだよなぁ・・・・・・・。
すぐに手で押し退けて、離れさせる。
「は~い」
「そろそろ本題入っていいか?」
「話して話して」
「姉さんから来年の話は聞いてるだろ?」
「あー、兄さんと一緒に外に出るってやつ?」
「うん。改めて確認するけど、ルイは本当にいいのか?」
「もちろん! 兄さんと一緒だったら、どこでもばっち来いだよ!」
「本当に?」
「本当だよ!」
ルイの性格上、流れに乗って物事を進める性格があるので、念を入れておく。
後で、こんなの嫌だぁ~って悲しむ顔は見たくないからな。
そんなこんなで、外に出てからの話を少し話しておく。
「外に出たら、俺たちの家が用意されてるから、当分ここには戻って来れないな・・・・・・・」
「何かさみしい気持ちだね」
「けど、学校には俺たちが知ってるハンターの先輩も居るらしいし、そこまでじゃないかな」
「それならまだ安心」
ちなみに、家を用意してくれるのは貫太郎さんらしい。
まあ、自分が勝手に俺たちの推薦書を出したのに、責任を感じてるのかもな。
こっちからしたら願ったり叶ったりだ。
「ルイは楽しみか?」
「う~ん。楽しみと不安が半々かな」
「珍しいな、いつもは好奇心旺盛なのに」
「それとこれは違うじゃん。知らない所はやっぱり不安だよ・・・・・・・・・でも! 兄さんが一緒だから楽しみしかない!」
「どっちだよ」
「後の方!」
元気なのがルイの魅力だ。
その元気をもらって、何とか俺も頑張っていけそうだ。
意外と姉さんとは、早めに再会しそうな感じもするし、来年が楽しみになってきたぞぉー。
よし! 明日からも頑張って訓練だ!
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