第16話 歩夢の初耳Ⅱ
「う~ん。俺自身は外の世界を知ってみたいっていう好奇心もあるし、何より学校行ってみたいな」
自分の知らないことが知れそうだし、同年代の友達もつくってみたい。今までは先輩ばっかりだったからな。それもそれでいいんだけど、やっぱり同年代が一番いいよね。
「本当にいいの?」
「学校では、自分と同じような人と勉学に励めるんだよね?」
「そうね」
「ハンターになるためには、それは不可欠なんじゃないかって思うんだけど」
「確かに、ハンターになるためには学校は行っておいた方がいいわね」
うんうん。
話し方からして、姉さんも学校に通ってたみたいだし。
「だったら俺が行かない理由がないよ」
「なら決定で! 来年からは忙しくなるわよ!」
ビックリした~。
姉さんは真剣な眼差しの表情から、一変して顔に笑みを浮かべた。
「何でそんなに嬉しそうなの?」
「それは、貫太郎さんに頼まれてたから・・・・・・」
「貫太郎さんに!?」
元田貫太郎。ハンター協会シンベル支部の現会長だ。
姉さんはでハンター序列3位なので、会長と関わることが多く俺も何度か顔を合わせたことがある。
何でそんな人に?
「この前会った時に、いきなりアユの推薦書を提出したって言いだして、絶対に説得しないとってずっと不安だったの」
「貫太郎さんが推薦書を出してくれたのか・・・・・・」
「入学するときには試験もあるから、頑張ってね」
「う、うん・・・・・」
一気に方が重くなったな。さすがに会長の推薦書は重いよ。
いや、入学試験まであと1年、時間はまだまだあると考えた方がいいか。
ポジティブシンキング! ポジティブシンキング!
「試験内容とかって分かるの?」
「そのことなら心配ないよ。もう合格は決定してるようなものだから」
「どういうこと?」
「試験は『心身学』の筆記テスト100点と、模擬戦闘100点の合計200点満点で決まるから」
筆記テストは良いとして、模擬戦闘0点とかありそう・・・・・・。
稽古で勝ったことないんだもん。
「模擬戦闘かぁ~。不安しかないよ」
「大丈夫よ、アユは十分に強いから」
「そうなの?」
「そうよ」
「なら、頑張ってみるよ。貫太郎さんの顔を汚さない為にも」
模擬戦闘は本気で戦うことにしよう。負けたら色々と示しがつかない。
「大事な点はちょっとズレてるけど、私も全力で応援するわ」
「ありがとう」
こういう所マジで好きだわ。
見習って行こう。
「あと、言い忘れてたけどルイも一緒に付いて行くから」
「え、えぇぇぇー!?」
特大の爆弾が俺の頭上に落ちた。
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