脳筋が革命前日の朝に座標平面上で北越急行が値上がりしたから絶望した感じでチョコレートを食べる小説(なろう)
ある男は絶望していた。北越急行が値上げされたのだ。男の家は(1,1)駅の近くにあるのだが、通勤するのに北越急行と放物線を利用しているために値上げは財布へのダメージになる。車で行くにしてもそちらの方が高い上に冬季の通勤がつらい。
どうしたものか、と男はチョコレートをかじる。どうしたものかと考えたところで何も変わる訳はなく、時間だけが過ぎていく。一回当たりの値上げ額は小さくても、一年も使えばそれなりの額になることは男の足りない頭でも分かっていた。
どうしたものか、と男はまたチョコレートをかじる。どうにかして出費を抑えるしかあるまい、と考えついた。しかし、少なくできるような出費が思いつかない。食費も切り詰めている。諦めて出費を増やすのは、近日中に革命を起こそうとする一派がいる以上得策とは思えない。
どうしたものか、とまた男はチョコレートをかじる。引っ越すことも考えたが、そっちの方が金がかかる、といろいろ考えてはつぶれている。一駅走るか、と考えて少し距離がある、と考え直す。しかしながらそれ以外になかなか方法が思いつかない。
仕方がない、と男は最後の一切片を口に放り込んでから、隣の駅まで走るために早めに家を出た。
駅まで15km。
逆の駅に走った理由は誰も知らない。