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左近の桜、右近の橘。  作者: みんくん
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第1話

皆さんこんにちは、みんくんです。


基本的に私の各文章は毎話大体1,000~3,000程の短いものとなっております。


読みづらいかもしれませんがよろしくお願い致します。

4月の入学式を終え、私は部活動の見学をするために校内を歩いていた。といっても既に部活の希望はあり、さっき先生に聞いた場所まで向かっているだけである。


文芸部


部屋のドアにかけてある札にはそう書かれていた。


「あ、あのぉ…失礼します…」


ドアを開けるとさわりと気持ちのいい風を感じる。

中を見るとひとり、女性が椅子に座って本を読んでいた。


綺麗だ

その一言しか出てこずに私はその見た目に目が離せなくなっていた。

とにかく平静を欠いていた。平静を欠いた結果私はその場で棒立ちになっていた。


その黒く綺麗な髪は風になびかれてサラサラとし、本に落ちる目線は美人の一言に尽きるものだった。


私が彼女に見とれていると彼女の目線は本から私へと移る。

「おや、すまない、本に集中して居て気付かなかった、ようこそ文芸部へ、歓迎するよ」


彼女の口から紡がれた声は見た目と同じく非常に綺麗だ。


「えっと…入部希望の一年 桜 左枝 といいます…」

「僕は二年 立花 右葉 立ち話もなんだし左枝ちゃんも座りなよ」

「僕…?」

「あぁ、こればっかりは昔から治らないんだ、でも安心して、僕はこれでもれっきとした女の子だから」


また微笑む。

その笑顔を見て顔が赤くなるのが自分でもわかった。恥ずかしい。


「そんなに緊張しなくても大丈夫、僕は怖くないよ?」

「こ、怖くはないです…その、綺麗で…」

「僕がかい?」

「ッ!」コクコク!

「そうか、いや嬉しいな、君みたいに可愛い子に綺麗だなんて言われると照れてしまう」


あぁまた微笑んだ…しかも少し照れが混じっているのがズルい。


「それで、君は入部希望なんだよね?書く方?読む方?」

「き、基本どっちもやります…そこまで上手じゃないですけど」

「そうか、これで今年も安泰だ、なに、僕も上手じゃないから二人で頑張ろう、よろしくね左枝」


手を差し出す先輩。当然固まる私。


「ありゃ、固まっちゃった…?」

「い、いえ、その…」

「握手だよ握手、ほら」


先輩は私の手を握るとブンブンと振る。そのひやりとした先輩の冷たい指の感覚に私の顔も手のひらもやはり熱くなる。


「可愛い、真っ赤じゃないか…ついイタズラしてしまいたくなるほど可愛い…」


目が笑っていない。その本気の様な鋭く、でも綺麗な目で私を覗き込む先輩。


ああダメだ、ダメだと思うがやはり体は言うことを聞かない。

ダメだと言う思いとは裏腹に目を瞑る。


「んっ…」


唇に冷たい、でも柔らかい何かが当たる。

ほんの少し濡れているそれはすぐに唇から離れた。


目を薄く開けると悪戯っぽく笑う先輩の目が見えて、やはり赤面した。


「君は顔がすぐに赤くなるね、最高に可愛いよ」


耳元で聞こえる先輩の低いけど綺麗な声に背筋がゾクゾクとする。

初めての感覚だ。


「左枝、改めてこれからもよろしくね」


先輩に抱きしめられた私はその場でただ頷く事しかできなかった。

読んでくださりありがとうございました。

次話もどうぞ、よろしくお願い致します。

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