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第二王女と結婚するために英雄になります。  作者: 朱紅猫@ヒール
剣王戦編
7/27

残念ながら料理当番

多分これからは2日ごとの定期になると思います

でもここ最近部活が忙しいので遅れるかもしれません

遅くとも3日ごとには出します


4/10 変なとこに鉤括弧が付いていたのを修正

その他微修正

5/30 加筆修正


1/17 加筆修正

1/17 加筆修正

7話 残念ながら料理当番


なぜかビブレーと戦う約束を交わしたおれはノアと一緒に生徒会の寮への帰り道を急いでいた


「んー、めんどくさいことになった…」


「ごめん、迷惑だった?」


おれの独り言に申し訳なさそうに顔を覗き込むノア


「いや、それ自体は別にいいんだ

ただ依頼がなぁ…あともう一人いた子の問題もあるし」


「依頼?ユネルくん、またシーア師匠に何か頼まれたの?あともう一人いた子ってリツァイ・アポカリプトさんだっけ?」


「うん...なんか嫌な感じするんだよな、あの子」


ノアと話していると学生寮の一角にある生徒会専用の寮が見えてきた

この生徒会の寮、一見他の寮と変わりはないのだが実は中の部屋が繋がっている。共用のリビングとキッチン。風呂とトイレも共用だ

まぁ、家みたいなもんだ

その中で各個人に個室が与えられるのだが何かの手違いでおれとノアが同室になってしまった。別にベットも1人で寝るには大きすぎるから不自由はしない

しかしなぜかシフェにだけ猛反対された

「ずるいー」とか「協定違反だー」とか。なんだよ、協定違反って…

ただその日のノアはとてもいい笑顔だったと言っておこう

別に先輩方が卒業した今なら部屋を分けることもできるのだが何も不自由はしていないので変えていない

そんなこんなで生徒会に入ってから一年近くノアと一緒の部屋、シフェと一緒の家で暮らしている


おれが懐かしい記憶を引っ張り出していると寮の扉の前に着いた


「「ただいまー」」


「遅いっ!」


おれたちが部屋に入ると私服に着替えたシフェが頬を膨らませていた


「ユネルが帰ってこないと夜ご飯作る人がいないじゃない!」


あー、そうですか

遅くなって心配かけちゃったかな?って気にしてたのにご飯の心配してたなんてね…


「ふっ、自分で作れよ」


「鼻で笑うな!私が料理できないの知ってて言ってるでしょ!」


そうなのだ。この第二学院生徒会長殿は料理が作れないのだ。

前に作ってもらった時はそれはそれは地獄だった。

塩と砂糖を間違えるのは当たり前、何かを炒めれば爆発、茹でればお湯が蒸発、そして焼くにしても食材を謎の黒い物体に変えるという稀代の料理下手なのだ。


「大体ノアだって料理できないじゃないのよっ!」


「それは今関係ないでしょっ!」


そう、この我がルームメイトの生徒会会計殿も料理が下手なのだ。

前に手作りのお菓子をもらった時には3日間原因不明の高熱で生死をさまよった記憶がある。

つまり先輩方が卒業した今、この生徒会の中で料理を作れるのはおれだけだということだ。

実際おれも一年前はそれほど得意ではなかった。

だが他の2人よりかはマシだということで先輩の料理を手伝わされているうちに結構上手くなったのだ。


「せめてどちらかが手伝いでもできたら楽なんだけどな…」


「うぅ……」


そう、何を隠そうこの2人。料理を手伝うだけでその食材を暗黒物質に変えることができるのだ。

そのためおれが料理を1人で作らなければいけない羽目になっている。

生徒会副会長兼料理当番ユネル…ダサいな


「はぁ、作ってくるから待ってろ」


そう言い残してユネルは愛用のエプロンを手にするのだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


手早く夜ご飯と風呂を済ませたユネルはシフェとノアに依頼のことを説明した。


「ふーん、タクトメーノ団長の娘さんねぇ」


「ちょっと納得。タクトメーノさんは小さい頃から天才だって有名だっから…」


「なるほどね、それで天狗ってわけか。」


イケメン団長も苦労してんな

っと、それより


「おれが気にしてるのはもう一人の方だ」


「もう一人?」


「あ、アポカリプトさんのこと?」


「あぁ」


おれは肯定の意を示す

アポカリプト。この貴族は王国建国以来の名家ではあるものの数年前から黒い噂が流れてるのだ


「“邪教のアポカリプト”ね」


「うん、それはちょっと問題かもね…」


邪教のアポカリプト。これは数年前から王国に流れてる噂だ。

あのアポカリプト家が邪教を信仰している。この噂は数年前からあるにも関わらず未だ王家による調査が行われないのだ。

つまり、王家に裏切り者がいるってことだ。

ここまではおれたちで調べたのだが流石に王家に関連することは調べられなかった。


「邪教かぁ、元は魔族の信仰だったんだっけ。」


「あぁ」


この国、イロアス王国や隣の帝国など今存在している国では聖教と呼ばれる信仰が一般的だ。所により精霊信仰などはあるものの主流になっているのは聖教だ。

しかし邪教とは今から634年前にイロアス王国の祖、勇者イロアスによって討伐された種族、魔族が信仰していたものである。

聖教が「忠義、寛容、希望、慈愛、忍耐、純愛、節制」の七つの救済を掲げているのに対し邪教は「傲慢、憤怒、怠惰、嫉妬、強欲、色欲、暴食」の七つの罪を掲げている。

元は(つい)となり一つの宗教だったようだがネオス暦以前の資料が全く(・・)ないため詳しいことはわかっていない。


「なんもなければ良いんだが…」


「そうね、最近は学院の周りで事件も多発しているし…」


「あぁ、今日もビブレーには注意を促しといたんだけどな…

なんか勘違いされた気がする」


「勘違いって…ちゃんと伝えなさいよ

まぁ、学院の中は師匠のおかげで部外者は入れない結界(・・)が張らせてもらってるし」


「そうだな。おっ?もうこんな時間か。おれは寝るわ」


おれは魔時計で時間を確認し寝室に移動するために腰をあげる


「ぼくももう寝るよ」


「あらそう?じゃあ私も寝るわ」


それを皮切りにノアとシフェも席を立つ


「おやすみ、シフェ」


「シフェおやすみ〜」


「おやすみ、ユネル、ノア」


寝室のドアの前でシフェに挨拶をし別れる


「ふわぁぁぁぁあ」


少し大きいベットにノアが横たわり欠伸をする


「おやすみ、ノア」


おれもノアの横に体を滑り込ませながら挨拶をする


「うん。おやすみ、ユネルくん」


ノアの声を最後に静寂が訪れる

その心地の良い余韻に身を任せ静かに微睡みに落ちていった


わからないところ、おかしいところがあれば質問ください。修正します。

ネタバレの質問には答えませんので悪しからず。

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