残念ながら武力測定
ドラゴンがパズルするあのゲームの新しい降臨。
難しくないっすか?
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5話 残念ながら武力測定
「えーと、回復魔法!
あ、できないんだった。
シーア師匠っ!やりすぎだよ!」
「あらあらこのくらいだったら大丈夫よ
ねぇ、ユネル?」
「畜生…
物事には程度ってもんがあるだろ…」
悪態をつきながら立ち上がるユネル
この普通ではありえない現象にはカラクリがある
元来、人には体内に魔力を有している
その魔力を全身に行き渡らせ魔力を活性化させることで自然治癒力を促進することができる
このメカニズムを利用しユネルは回復したのだが…
「普通は擦り傷を治す程度しかできないんだけどね」
おれの人外な魔力量があってこその芸当だ
「師匠。いくらおれが魔力量が異常に多いからってあそこまでやるのはどうかと思いますよ?」
「いいじゃない。貴方の魔力量からしたら微々たるものでしょう?」
「それもそうですけど…」
「ユネルくん大丈夫?」
おぉ、天使ノアよ
君だけがおれの心の癒しだ
あ、ノエルはカウントしてません
あの方はおれの唯一神だ
「あぁ、ありがとう
幸い今日は訓練の日じゃないからな」
そう、今日は訓練の日ではないのだ!
嬉しすぎる、今日は部屋で惰眠を貪るぞ!
「あら、でも貴方たち剣王戦の代表になったんでしょう?
武力測定をしなきゃいけないんじゃないの?」
あ……
「どんまい、一緒に行こう」
あぁ、おれの休みが……
一週間に一度の休みが……
そうしておれはルームメイトに連れられ魔法道具実験室へ足を運ぶのであった
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この学院の壁は大体が白色で構成されている。しかしこの魔法道具実験室だけは異常だ
この魔法道具実験室の壁だけ赤色で構成されているのだ。しかも噂によれば夜に魔法道具実験室に行くと壁が発光してるらしい。誰得だよ
「ここは何回来ても慣れないな…」
「うぅー、目がチカチカするぅ」
ここで授業とかやったりするんだもんな…
集中なんかできないだろ
「ん?、あの子」
あれは紺髪美少女一年
名前は…
「あら、またお会いしましたね
えーと…」
「ああ、そういえば名乗ってなかったな
王立第二学院生徒会副会長ユネルだ」
「生徒会の副会長だったんですか…
申し遅れました。私一年主席のーー」
「ビブレー・タクトメーノ、だろ
お前のお父さんには世話になった」
おれの言葉に少し驚くビブレー
あ、胸が揺れた
「知っていらしたの
それにしてもユネルさんですか
現剣帝と同じ名前なんですね」
「あぁ、らしいな」
おれにとってはなるべく触れたくない話のひとつなのですげなく会話を終わらざる
「らしいなってなんですか!」
ん?なんか様子が…
「あの方は数多の武術を修めさらに悪魔的な駆け引きによる圧倒的な強さ!
貴方には彼の素晴らしさがわかりますか!?」
「お、おう。すまなかったな」
な、なんかすごい人だ…
「いいえ、分かればいいのです
では私はもう終わったので後ろで待機してます」
「なんかすごい子だったな」
「うん…」
「次の方ーどうぞー」
「ユネルくんの番だよ」
お、おれか
待機場所から武力測定器があるスペースまで移動する
すると計測員と思われる女性が模造刀を持って待っていた
「それではこの模造刀でこれに思いっきり攻撃してください」
「あのー、質問なんですけど今までの最高値って誰ですか?」
「はい、今までの最高値は一年生のビブレー・タクトメーノさんの502です」
おぉ、あの子本当に強かったんだな
「平均値はどれくらいですか?」
「例年の平均値が300程度なんですが今年はそれを上回りそうですね」
「そうなんですか」
「はい、ではお願いします」
「はい」
おれはそこそこの威力を出すために魔力を練る
そしてその魔力を全身に行き渡らせる
魔力を全身に行き渡らせると治癒力を活性化するだけでなく身体能力が大幅に上がる
さらに持っている模造刀に魔力を込めた
ここで武力測定器の説明をしよう
武力測定器とは殴った力をポイントとして表示するものである
武道を修めていない人間が本気で武器を使って殴った時のポイントが10とするのを基準として表される
そうすると先程のビブレーの記録は結構な好成績ということがわかる
普通の学生が300程度なので普通ならこの記録を抜くことなどできないだろう
普通の学生なら……
おれは武力測定器に一撃を叩き込むべく模造刀を上段に構えた
そして振り下ろす
『月影流刀術 半月』
轟音が鳴り響いた
おれは唖然としている計測員に問いかけた
「すいません。何ポイントですか?」
「は、はいっ!えーと…え!?」
待機場所にいた生徒も今の轟音に驚き計測場所まで覗きに来ている
おっ、ビブレーも戻って来てる
「あっ、あ、あ…」
なかなか結果を言わない計測員に業を煮やしたビブレーが計測員を押しのけポイントを見る
「いっ、15864っ!」
結果を聞いた人たちが一斉におれを見る
「や、やりすぎた……」
世界最高記録が出た瞬間であった
ユネルくん強いですね(白目)
実は彼はもっと強いんですよ
ノなんとかが話したくなるぐらい