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最終話 そして次回作へ

勇者 「なあ、国王陛下から軍資金に50G持たされたけど、道具屋のラインナップを見たら薬草が2こしか買えない金額だったんだが・・・」

仲間 「辛うじてスライムになら勝てる程度の実力なんだから、当然の判断なんじゃないの?」


勇者 「町の外に出るとモンスターだらけなんだが、この世界の農業とかの生産ラインはどうなってるんだ?」

仲間 「勝手に人の家の物を漁って持って行く君に、誰も心配されたくはないんじゃないの?」


勇者 「モンスターをぶっ殺せばお金を落とすようなんだけど、こうなると真面目に働くのは馬鹿馬鹿しくなってくるな。」

仲間 「向こうからしたら、強盗以外の何物でもないんじゃないの?」


魔王 「なに、勇者が現れたと!直ちに将軍たちに出兵を命じ、万の兵で勇者を攻め滅ぼすのだ!」

幹部 「御意なれど、万の兵は画面に入りきらぬ故、何とぞご容赦いただければ幸いにござる。」


王子 「隣国より勇者が旅だったとの報を受けた。私も直ちに出立するゆえ、用意をいたせ。」

兵士 「はい、こちらの棍棒と、布の服をお召しください!」


王子 「貴公の装備の方が上等ではないか、これはいかなる故か?」

兵士 「これはモンスターを倒し必死に奪・・集めた浄財にて調達したものです。」


王子 「我が国の財政はここまで逼迫しておったのか。」

賢者 「数えるほどしか人のいない街、モンスターが溢れる国土、魔王の侵略以前にすでに世界の産業構造は破綻してございます。」


王子 「ではいったい今までの国体の維持は・・・。」

賢者 「モンスターやダンジョンから得られるアイテムによって支えられてございます。」


勇者 「隣国の王子と合流らしいけど、夜郎自大で世間知らずな奴だったりしないだろうな?」

仲間 「世間知らずというよりは、旅立ちの時に資金調達の手段が、王族感覚の国家視点のSLGと個人視点のRPGのシステム的な違いに戸惑ってるんじゃないの?」


勇者 「お前、時々よくわからないことを言うけど、そもそもお前の名前をしらないんだけど。」

仲間 「←が名前なんじゃないの?」


魔王 「勇者が歩を進めてきておるが、何か対策は講じておるのか?」

幹部 「御意、勇者は無能故、壺や樽以外は壊しますまい。進路を壁で埋めてしまえば進むこと叶いませぬ。」


魔王 「勇者の足止めの首尾はどうだ?」

幹部 「御意のまま。しかし困ったことになり申した。ユーザからの苦情故、明朝のアップデートにてパッチが適用されるとの由にござる。」


勇者 「砦を一つ落としたけど、二人で落とせる砦ってなんだろうな。」

仲間 「イベント進行を無視して王子と合流していない君に言われたくないだろうけど、戦力をまとめることすらしない魔軍は、システム的に寡兵の運用すら出来ないと見るべきなんじゃないの?」


勇者 「この前壁だったところが突然通路になったんだけど、いったい何だったんだ?」

仲間 「知らない間にフラグが立ったか、バグが修正されたかしたんじゃないの?」


勇者 「俺たち二人でどんどん魔族の行軍を押し返してるけど、後方の再防衛は大丈夫かな?」

仲間 「SLGじゃないからそんなこと気にしても仕方がないんじゃないの?」


王子 「勇者たちが見つからない。これは困った。」

弟姫 「ウロチョロするから入れ違いになるのよ、ジタバタするのはやめなさい。」


王子 「待ってみたんだけど、勇者たちは遙か遠方に行ってしまったようだ。」

弟姫 「どうやら貴方はイベント進行に必要ないモブだったみたいね。」


王子 「ところで貴下は、男の娘だったりするのか?」

弟姫 「実の妹に失礼ね。所詮、モブには何を言っても無駄みたいね。」


弟姫 「魔王を倒したら領内を跋扈するモンスターは消えるのよね。」

賢者 「然り。同時に物品の調達もままならなくなりましょう。」


弟姫 「滅ぶわね。」

賢者 「滅びまする。」


魔王 「そろそろ次の策を建言せよ。」

幹部 「さしあたってシステムの解析を進めてござる。しばしお待ちいただけよ。」


魔王 「先の首尾はどうなっておる。」

幹部 「地道な解析が奏功し、フラグデータ改竄を遂行してござる。」


魔王 「勇者たちが最初の地点に戻されたとな。」

幹部 「システムを制した今、もはや陛下に敵はございませぬ。」


勇者 「なんだかいきなり序盤に戻されたぞ。どうなってるんだ?」

モブ 「やっと追いついた!」


勇者 「なにか知らない奴が無理矢理パーティーに割り込んできたけど、なんなんだこいつ?」

仲間 「システムがバグっていてよくわからないけど、モブだから気にしても仕方がないんじゃないの?」


魔王 「幹部はどこへ行った?」

将軍 「BANされた由にございます。」


勇者 「ついに決着の時が来た、魔王勝負だ!」

魔王 「幹部・・・うううう。」


勇者 「魔王は何を泣いているんだ?」

仲間 「腹心の幹部がチートに手を染めて、永久BANを食らったんじゃないの?」


勇者 「よしついに魔王を倒した。だけど、この戦いはいったい何だったんだろう?」

仲間 「それを知りたければ、空を見上げてみるといいんじゃないの?」


勇者 「空に名前が流れていく・・・。あれはいったい何なんだ?」

仲間 「この世界の平和を乱した戦犯と組織の一覧じゃないの?」


勇者 「魔王が言っていた、『我を倒しても平和が訪れること叶わぬ』とはいったいどういう意味だったんだろう?

仲間 「売れないことを祈れってことじゃないの?」


勇者 「おかしい、魔王を倒したときに持っていた圧倒的な力も装備もなにもなくなってしまった。いったいどうなっているんだ?」

仲間 「出ちゃったね、次回作。」

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