冒険者の男女比率
冒険者の男女比率は、当然ながら男性に大きな偏りがある。
シーラや大魔術師ジェシカのような例が示すように女性冒険者も少なからず存在するが、あくまで存在するというレベルに過ぎない。比率で言えば8対2と言ったところ。この数字は意外に思うだろう。実際、傭兵や騎士においてはほぼゼロという状態から考えれば、冒険者は女性の社会進出が認められている数少ない職種である。
冒険者とは詰まるところ命のやり取りをする職業であり、傭兵や騎士と異なるのは相対するのが人か魔物かの違いに過ぎない。本来女性には不向きな職業であるが、絶対数が少ないスペルマスターには女性が多い傾向がある。鉄回収業者を目指すならいざ知らず冒険者として大成するつもりならば、スペルマスターは迷宮攻略に欠かす事のできない存在であった。
結果、男女混成パーティーが数多く誕生した。
勿論、傭兵団や騎士団でもスペルマスターを募集しているが、どこも台所事情が厳しいため報酬はある程度のレベルで抑えられているのが現状だ。一方、迷宮には多額の財宝が眠っている。両者を天秤にかけたとき、彼女達は騎士のロマンや英雄譚よりも報酬の高さを選んだと言えなくもなかった