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#1

 桜の花が散りかけている4月。桜の花吹雪に迎えられ、私は校門をくぐった。おはよう、と生活指導の先生が挨拶する。

 土曜日である今日はまだ始業式ではないけれど、登校日として、二、三年生は登校しなくてはいけない。登校して、身体測定や掃除をするためだ。

 昇降口の扉に張り出された紙に、自分のクラスが掲示されていた。紙をじっくりと見て確認し、私は二組だということが分かった。

 昇降口から中へ入り、靴を履き替えた。階段へ向かう。

 二年生の階は三階で、その中でも二組は校舎の奥の方にある。しかし、昇降口のすぐ近くの階段は学校の建物の中央にあるので、二組まで多少は行きやすい。

 二組までの廊下を歩きながら、私は考え事をしていた。

 元々、私は人見知りで、人と話すときは常に緊張している。また、話したい人が別のことをやっていたり、他の人と話していると分かると、話しかけて良いものか気を使ってしまう。このような性格で、果たしてクラスに慣れることができるのだろうか。

 教室の目の前に着いたと、思った瞬間。前に大きな影がぶつかった。

 大きな影が低い声で言った。

「ごめん」

 驚いて上を見上げると、そこにはとても整った男性の顔があった。今まで見たことのない顔立ち。眉、目、鼻、唇。パーツのすべてがちょうど良い大きさだった。

「いえ」

 私が彼にそういうと、彼は、私のクラスの教室に入っていった。どうやら、同じクラスみたいだ。

 しばらくの間、私は唖然あぜんとしていた。心臓は、そんな私を置いていくかのように、すごい速さで動いている。なんとも言えないドキドキとした気持ちが私の体の中を満たしていた。

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