表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

三ツノプレゼント

大変長らくお待たせいたしました…

最近バイトが忙しく中々書く時間が…

使い方を間違えなければ良いだけの話。

ジュリアンナが言う事は何も間違ってはいない。


「間違えなければそれでいい。言葉にしたら簡単な事よね。

でも、私達人間は、どこかで必ずミスをする生き物なの。

どんなに気を付けていてもどこかには必ず穴がある。


それは、お父様やお母様も同じよ。

でも、だからってミスを怖がってたらいつまでも前に進めないわ。

例えば難しい難題にぶつかって、どれが正解か分からなくなったら、自分が信じた方に進めばいい。

もしそれで間違えた選択をしてしまったのなら、間違えた分だけ頑張って取り戻せばいい。


慌てる事なんてないわ。冷静に、慎重に進めば、そんなに間違えなんてしないわ。」

オレンジ掛った髪の毛をなびかせながら、ジュリアンナはふわりと笑う。

その通りだと思う。

人間、一度も間違えずに進むなんてありえない。

間違えながら進むんだ。


前世で私は間違えずに生きた?

否。間違えながらもその度にリクや奏兄さんに直されてきた。


なんせ剣と魔法の世界。

前世の常識は無駄に等しい。

そのせいか、少し、臆病になっていたのかもしれない。


「そうですね。

自分の【マイスター】を見て少し、怖気づいていました。

いちいち間違いを気にしていたら身動きが取れなくなってしまいますね。」

そう言って、へにゃりと笑いかける。

冷静さを欠いていては、出来るものも出来なくなる。

この世界のどこかにいるリクを見つける事すら出来なくなってしまう。


「父様なんて日々、間違いだらけだぞ。

それに比べてリアンは、まだまだたくさんの未来があるんだ。

間違いだらけの父様がこう行ったら失敗するくらいの事は教えてやれるから大丈夫だ!!」

「ふふっ、ハロルドったら、格好がついていない言い方になってるわよ?」

「格好悪いです。父様。」

「ぅぐっ!!」

少なくとも間違いだらけの人には教わりたくないと思わされる事を言われた感じだが、まぁいいや。

気にしない。


「でも、もし難しい難題にぶつかったら、その時は父様と母様に相談します。」

その時は、よろしくお願いいたします。

そう言って深く頭を下げる。

この世界の両親とはいえ、礼儀はきちんとしないと駄目だと思う。

だから、私はこの世界の物の頼み方は分からないから、日本式の頼み方でいく。


「ふふっ、やぁね、そんなにかしこまらないで?リアン。

貴女は私達の可愛い愛娘なんだもの。手助けして当然でしょ?」

「そうだぞリアン。

ついでに敬語なんて使わなくていいんだぞ?家族なんだから。」

ジュリアンナとハロルドが交互に言ってくる。

家族だけど敬語はなんだか外しにくいんだよなぁ…。


「敬語は仕方がないじゃないですか。癖になっているんです。」

「齢3歳でここまで正しい敬語を使えるお子様はいらっしゃいませんよ。リリアンナ様。」

おっと、マルクスさんに突っ込みを入れられてしまった。不覚。


「とりあえず、【スキルボード】作成も終わったし、早く家に帰ってリアンの誕生パーティーを開こう。」

「そうね、やっとリアンの誕生日当日に祝う事が出来るのだもの。早く帰りましょう。」

確かに少しお腹がすいてきた。

両親の意見に私も無言で同意し、後をついて行く。


「そうだリアン!!父様と家まで競争しないか!!?3歳記念だ!!」

「いやですよ。」

「ハロルドったら、どうせなら大食い競争でも面白いかもしれないわ。」

「やりませんったら…。」

帰り道そんなくだらない平和な会話をしながら歩く。

…全く…。本当にこの人たちは元気ね。

若いわ…。あ、私もか。


まぁこれで少しは落ち着ける。

3歳になるまで【マイスター】は詳しく知ることが出来なかったし、それ以前に上手く作動させることが出来なかった。


とりあえず私の【マイスター】もどんなものか分かったし、これで、より深く練習出来る。

どうせなら歩きながら練習でもしてみようかな。

どの【マイスター】にしよう…。

…うん、『意志疎通(イシソツウ)』にしよう。

なんか簡単そうだし。


マイクテス、マイクテス、テス、テス、テス…

ダー、ダー、ダー。

よし。


まずは意識を集中させて…


[―――…まさかの成功にびっくりしてしまった。よく分からん叫び声も出たし。]


……

……………

ん?


あれうそ…いきなり成功?

…いやいやまさか。

気を取り直してもう一度…


[―――…いや、本当は頭の中に声が響いてきて吃驚しただけなんだけどね。]


「っ!!?」

「?…どうしたの?リアン。」

危うく声が出るところだったが、寸前の所で止める。

だが、身体の動きまでは止められなかったようだ。

ジュリアンナが不思議そうな顔で聞いてきた。


「あ、あわわ、な、なんでもないです母様!ただなんか変なものが飛んで行ったように見えて!!」

言えない。まさかの一発目の練習で成功してすごく吃驚したなんて。


「あら、そうだったの。虫かしら?そりゃあ、いきなり飛んできたら吃驚するわよね。」

そう言ってジュリアンナはふわりと笑う。

何とかごまかせたようだ。


…それにしてもさっきの声…

まさかの成功とか頭の中に声が響いてきて吃驚しただとか言ってたけど、もしかして、その人も『意志疎通(イシソツウ)』保持者なのかもしれない。


声は男の子っぽい感じだったから、もしかして、年齢が近いかもしくは同い年かもしれないわね。

同じ能力の保持者なら、一度は会ってみたいものだわ。

年齢が近いなら、もしかしたら話が合うかもしれないし。


…リクも…もしかしたら早く見つけられるかもしれないし…

実際、私もリクもどれ程の寿命を持っているかなんて分からないし、いつ死ぬかも分からない。

なるべくなら早めに見つけたい。

出来れば死ぬ前に会いたい。


寿命というリミットが来る前に―――…



―――――…―――――



「リアン、はいこれ。」

「ありがとうございます。母様。綺麗なブレスレットですね。」

家に着くと同時に、ジュリアンナがブレスレットを渡してきた。

銀色に光っていて、真ん中には鮮やかな紫色の石がはめ込まれている。


「でしょう?誕生日プレゼントよ。そのブレスレットは少し特殊でね、モンスターを従えさせる事が出来るのよ。」

「ぇ…そ、そうなんですか?凄いですね…これ…」

おいおい、子供になんてものプレゼントしてんだ。


「リアン、俺からはこれだ。受け取ってくれ。」

「ありがとうございます。父様。わ、チョーカーですか?」

私の眼の色と同じ深い蒼色の石がはめ込まれているチョーカー。


「綺麗だろう?実はそのチョーカーも少し特殊でな、重力を操る事が出来るんだ。」

「ぇ…凄いですね…重力を操る事が出来るなんて…」

ジュリアンナだけではなくあんたもか。

私をどうしたいんだ。


「リリアンナ様。」

「…はい?」

後ろからマルクスさんが何かを持って寄ってくる。

まさかマルクスさんまで変なの渡して来ないよな…。


「私からはこれを。」

「ありがとうございます。これは…髪飾りですか?」

マルクスさんからは四葉を模った髪飾り。

葉の部分には綺麗なエメラルドグリーンの石がはめ込まれていて、一つだけ淡い紫色の石がはめ込まれていた。


「この髪飾りも実は少し特殊なのです。

エメラルドグリーンの石はリリアンナ様に僅かながらも幸せを運んで下さいます。

淡い紫色の石は、空間魔法が使えます。物の持ち運びの時に便利かと思いまして。」

「わ…凄い…嬉しいです。ありがとうございます。」


結局…

子供にまともな贈り物をしたのはマルクスさんだけというよく分からない状態で私の誕生会は終わったのだ。

次の話ももしかしたら遅くなってしまうかもしれません…

すみません…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ