第二章・東海の海賊
1
「あまのはら……
ふりさげみれば春日なる……
三笠の山にいでし月かも……」
異国の、歌?
韻も、どこか独特であるようだけど……。
けれど、好ましい……。
弘佐はその歌を耳にし、誘われるようにして微かに目をあけた。
燭台の淡い灯だけが頼りの薄暗い部屋——。
……また捕まったのだろうか。
けれど、ちがう。
今度は潮風の匂いがとても濃い。
それに、なんだか大地がゆれている感じだ。
「おや、目覚めたか」
衣擦れがしたほうへ視線をやる。
「ここは……どこだ?」
弘佐は問いながら顔を覗き込む男をみつめる。
けれど薄暗い部屋では相手の顔がなお濃い影になっていて見定められない。
男はひんやりとした手を優しく弘佐の額にあてながら答える。
「海上」
たん、とした答え。
「……え?」
「正確には、船の上」
「船?」
「そう」
弘佐はまだハッキリしない頭で、男の言葉を反芻した。
「……海上、船の、上? どうして……、私はたしか……殺されかけて、香霄に助けてもらって……」
そうだ、なぜ私は海上に船の上にいるんだ!
弘佐は飛び起きるようにして上体をおこした。
「大事ないようだ」
くすり、と男は笑い燭台を近くにおく。
その淡い灯が男の端正な顔を映し出す。
中華の者ではない。
漆黒の長い髪を下の方で緩くしばり、切れ長な目尻が印象的な細面の男だ。
二十をいくつか過ぎたぐらいだろうか。
「あなたは?」
「私は晁衡……日本国の者だ」
「日本……」
日本は、大唐の頃遣唐使などを派遣し国交があった島国。
けれど安史の乱以降鎖国状態ではなかったか。
たしかに彼からは異国の匂いがする。
燭台の灯だけでは頼り無いけれど服装もどこかめずらしい。
肩口に大きな切り口があって、こちらの袍服より、ゆったりと着ているようだ。
「あの、どうして私は船に……?」
杭州には港がある。けれど弘佐は港とは離れたところにいたはずだ。
少なくともあの邸から逃れるまでは。
——なのになぜ、海上に?
「私があなたを拾った」
「拾った?」
弘佐は怪訝に聞き返す。
「ええ。だからあなたは私のものだ」
——は?
「ちょっと、まってください、私は…っ!」
いいかけ、ここで身分をあかしていいものだろうかと躊躇した。
この船はいったいどういったおもむきの船なのか。
——弘佐は呉越の太子——跡継ぎで、いま呉越王たる父は倒れ伏せている。
だから父王の側に付き添っているはずの太子が街中にいるとは誰もおもわないし、ましてや薄汚れた衣服をまとって道に倒れているとは思うまい。
名乗ったところで信じてくれるかどうか。
とまどい黙っていると、ドカドカと強い足音が沈黙をさき、御簾があがる。
「おい、目が覚めたのか、晁衡——って、わっ! なんで真昼なのにこんなに暗いんだ! 晁衡、お前、またなにか変な術をほどこしやがったな!」
白い影を伴ともなってはいってきた男は部屋の闇を一瞬にして霧散させ、御簾から眩い陽射しがさし込む。
「まぶしい……」
弘佐が突然の白い光彩に目をおおい、怪訝につぶやくのを聞き止めた晁衡は日本語で入ってきた男を叱責した。
「怪我人を安静に寝かすために結界をはっておいたのに、よくも壊してくれたな」
「俺の船に変なものをはるなっ!」
男は晁衡に怒鳴って大股で部屋の中にはってくるなり弘佐の顔色を窺う。
「大丈夫か、傷は無いようだったから安心したが、何せ服がぼろぼろで血だらけだったからな、こちらで取り替えさてもらった」
異国の言葉で男はいう。
何をいっているかわからないけれど、癖なのだろうか? 手振りで説明してくれたのでなんとなくかわかった。
男は陽に焼けて赤に近い褐色の肌をしており、茶が交じった髪を無造作に後ろに束ねている。
服装といえば、粗末で袖がない衣——隆々な腕が伺えた。
けれど、男は巨漢、というほどではなく均等がとれた体つきをして、背も高い。
弘佐を微笑ましく見つめるその瞳はつよく、形のよい唇は薄くて顎がしっかりした男らしい顔立ち。
二十五歳ぐらい、だろうか。
なんとなく顔が父にそっくりだ。
「あの、できれば中国語で話してくれませんか?」
ためしにそうお願いしてみると、あっ、と気づいたよう口許に手をやり苦笑した。
そして、
「お前は呉越国太子・銭弘佐、だろう?」
流暢な中国語で男は単刀直入にきりだした。
その言葉は銭塘の訛があって、温かい。
けれど、それよりも弘佐の出生を言い当てたことにおどろいた。
「……たしかに私は呉越国王、銭元瓘が子……」
「弘佐!」
男は弘佐の言葉を最後まで聴かず強くだきしめた。
「ははっ、まさかこうやってお前に会えるなんて思わなかったぞ!」
荒く頭をなぜられたり、背中をたたかれたり。
弘佐は目をしろくろさせて戸惑う。
「あ、あの…あなたは一体?」
かろうじて、そう訊ねることができた。
その問いに男はハッと、目を瞬き弘佐の肩をつかんでひきはなし首をかしげた。
「覚えていないのか……? フ、あたりまえだな。もう十年以上昔のことで、弘佐と弘宗はまだ物心もついていない幼子だったし、あちらでは俺のことを病死かなにかで片づけただろうからな——改めて名乗ろう。俺は弘純」
「弘純……?」
弘純となのる男はニッと悪童めいた笑みをうかべさらにいう。
「だが、本名は銭弘環。お前の、兄だ」
「……弘環…、兄上…!」
まさか、そんな。
しかし、その面影は父にとてもにている。
そして自分にもにているとことがある。
弘佐は徐々に記憶がよみがえるのを知った。
いつも優しく頭をなぜて、甘えると良く抱き上げてくれた兄を。
どうして私は弘環兄上のことを忘れていられたのだろう……。
切なくて愛しい想いが胸に沸き上がった。
2
「兄上は、行方不明になったということでしたが……生きておいでだったのですね」
「……ほう、行方不明」
「はい」
弘佐はこくりと頷く。
弘佐は六男、そして弘環は次男。
長く子供が生きながられないこの世とはいえど、弘環は夭折ではない『行方不明』だった。
父や、臣下たちは弘環の行方を手を尽くしてさがさせたが終ぞ生死を知る手掛かりはなかった。
「行方不明か……」
くりかえした兄の言葉は先とは違い憎々しげな様子だ。
「兄上?」
弘純はしばらく視線を床におとし黙していたが、鼻で大きく息を吐くと胡座した両膝に手をのせていった。
「俺は、王宮から連れ出されたんだ」
「え?」
弘佐は目を瞬き兄を見つめた。
「十二の時だった。ここにいたら殺されるから…、と侍女に連れ出されて……そのときはなにがなんだかわからなかった。頭の半分が眠りの中にあったし、もしかしたら熱で朦朧としていたのかもしれない。気づいたら俺は小舟に乗せられていた。
島陰すらみえない、紺碧のただなかに。
小舟には、俺とこと切れた男だけがのっていた。
俺は怖かった。
なにかなんだかわからなかったし、あの時はまだ冬だったからよかったが、舟に積まれていた水も使いはたし、いずれ自分もこの男のように死ぬんだと大声で泣き狂い、疲れ果て諦めたときだった。あるの男に俺は拾われたんだ」
「ほぅ……」
興味深げに相槌をうったのはいままでだまって弘佐たちのやりとりをみまもっていた晁衡が発したものだ。
一瞬、弘純は晁衡を睨にらみ付つけた。
「その人は日本人だった。洋上にでて東海と杭州付近の島を探索するために船をだしていたようだった。俺は偶然その人に助けられて良くしてもらった。身分も出生も問わなかったし、日本の言葉や海での生きかたを教わった。
その人は日本の大貴族の傍流の方でな、表向きは地方官で海賊討伐を生業としていたんだが、昨年〈本職〉にもどった。瀬戸内海海賊の首魁にな」
「じゃあ、兄上はその人に仕えていたのですね。では兄上は海賊、なのですか?」
「……まあな」
そう答えた兄の表情はどこか暗い。
「ま、ここだと辛気臭いな。甲板にでよう。いいものをみせてやる」
弘純は弘佐の手をとりたちあがって導いた。
★ ☆ ★
「これが、海原!」
弘佐はただ青一色の世界に目がくぎつけになる。
紺碧の海、空高い青空。
水平線が空と海の境界線を描き、船体に打ちつける波はどこか心地よく穏やかだ。
西から吹きつける潮風がつよい。
海面にちらりと輝くものがみえた。
よく目をこらす間もなく、それは海面をけって弧を描き姿をあらわす。
イルカだ。
「どうだ、海は」
「すごい! 杭州の港からながめているのとはわけが違う!」
弘佐は風にかきあげられる髪を押さえながら興奮して答える。
「だろう?」
この船は杭州の港で見かけるのと同じ物だけれど、添そうようにある船はどこが形がちがって一回り小さい。だが船体が白く朱で縁を塗ってあって鮮やかだ。
「この船が主船だな」
「へえ……」
朱にぬった欄干にもたれて空を仰ぎ、弘純はつぶやくように訊いた。
「ところで、なんで王宮からぬけだしたんだ? 王宮にいれば会えることもなかったが、平和だったのではないのか?」
「……心配で」
「心配?」
「大火で民は家をなくしました。そんな彼らになにかしてあげたくて……でもなにもできなかった。あげくの果て殺されかけて……」
「海上のただなかにいる、か?」
「はい」
弘佐は苦笑した。
「私を助けてくれたのは香霄という金髪の少女でした、そういえば、香霄はこの船に乗船してますか?」
「いないな。そこの陰陽師……道士がお前を拾ったんだが……」
顎で彼を示し、晁衡は弘佐と眼があって、やわらかに会釈する。
「あの、晁衡どの私のそばに金髪の少女はおりましたか?」
「ああ。でもあれは人ではない。あなたを私にあずけると消えてしまったよ」
「……そう、ですか」
弘佐はすこし落ち込んだ。
お礼をいいたかったし、もっと詳しく彼女のことが知りたかった。
「ところで、兄上たちはどうして杭州におらるのです?」
「ああ、それは——、」
「いうな、晁衡!」
怒鳴られ、晁衡は少し首をすくめて苦笑をうかべるだけにとどめた。
「まあ、いろいろだ…な」
弘純は息を吐くようにつぶやき、
「ま、これは天命なのかもしれないな、お前を助けろっ、ていう」
「え?」
「弘佐、お前は殺されかけたんだろう?」
「……はい」
誰に、とはいえない。
父に殺されかけたなんて。
それに真実どうかもわからない。民を尻目に贅沢をしていた父を許せないけれど、すべてを嫌いになれなかった。家族には優しかったから。
だから今でも信じられない。
しかし、
「父王に…殺されかけたのではないのか」
「え……っ」
「……やっぱり、そうか。お前は素直だな。すぐ顔に出るぞ?」
苦笑して弘純は弘佐を見据えた。
「俺も、機会があってどうして王宮からにげなくてはならなくなったのかと、考えたんだ。侍女が父王に殺されるから逃げろといったが、恨みもないのになぜ殺されなければならなかったのだろう、と思い返してみた。
しかしどうもハッキリしなかったが、今わかった。弘佐のいうの少女が関係していると」
「え?」
「俺も、その少女をしっているんだ」
「…え、いつ、いつのことです?」
「十二の時だ父王の側にその娘がいて、それを父王に訊いたら一気に顔色が変わったのがわかった。
豪胆な父王が恐るような怯えるようなそんな表情を浮かべたんだ。それから幾日もしないうちに俺は海に放りだされた……。お前はその娘のことを父王に訊いたことあるか?」
弘佐はうなずいた。
そう、私はみんなに〈金木犀の精霊〉についてきき歩いた。
暗殺されそうにはなった。
けれどその時点では香霄と出会ったばかりだったから父の意図いととは違うところに暗殺計画があったのだろう。
「余計お前を国に返す気はなくなったな」
弘純はつよく弘佐の両肩に手を置いた。
「このまま、海で生きろ。生きかたを教えてやる。国の面倒をみるより自由だ。陸のくだらないしがらみにとらえられることはない」
「できない」
弘佐は即答した。
「それは、できません。兄上」
「なぜだ」
怪訝に顔を覗き込み弘純はいう。
「大陸は混沌としている。華北は血で血を洗う戦が起きて、朝廷が入れ代わり立っては滅び、華南は国が連立し反目している。
呉越はそのうち周辺諸国にのみこまれて滅びるだろう。
だがお前までその運命に呑まれることはない。それに戻ってもお前は殺されるかもしれない。俺はそうとしってお前を返すことはできない」
「できないのです」
きつ、と兄をみつめる。
「私は、国を〈楽園〉にしたい」
「楽園?」
「そうです。たしかにこの世は乱世の直中にあります。呉越もいつ滅びるかわからない。けれど出来る限りのことをしたい。
民たちが心安らかに暮らせて平和で貧困もない、美しい国をつくりたい」
「弘佐」
「……幼い夢だと、笑いますか? でもできなくはないでしょう?」
弘佐の瞳は真剣で揺るぎない。
「私は帰ります」
強い意志で、決然と言い切る。
弘純は、それを否、といいづづけることができなかったが。
突然、くつくつと場違いな笑いが沈黙をさいた。
「ご立派な太子だ。もしかしかしたらあなたは、その手で夢を現実にできる力をもっているかもしれない」
「晁衡、お前まで……」
「だが、弘佐どの」
サッ……と、晁衡は両手を広げ、波の音が支配する青一色の世界を示した。
「今、あなたは海にいる。そして故郷を離れて我が国、日本国へ向かっている。もう戻れない」
「……それはっ」
「晁衡」
「あなた一人ではなにもできない、無力だ」
海に、捕らわれている。
いまいくら帰りたいと叫んでもきいてくれるものはこの船にはいない。
……無力だ、晁衡がいうとおり。
強い思いや意志がある。けれど一人そうおもっても周りがなにも動かなければ意味がない。
「でも私は帰りたい」
無力、だ。
けれど思いだけが強い。
情けなくて、涙があふれた。
しかしこれは国に帰って、父の後を継ぎ王になっても同じ事ではないのか?
自分ではこうしたい、と高々とさけんでも、協力してくれるものがいなければ意味がないのかもしれない。
このように人を動かす力がなければ……臣たちは若い自分を侮る、きっと。
不安と絶望感が胸を塞ぎはじめた。
けれど、それでも諦めきれない。
「……弘佐、そんなに帰りたいか?」
「はい」
「また命を狙われるかもしれない、お前が思うような国がつくれなくとも、か?」
「はい」
弘純は目を閉じて大きく鼻でいきをつきいった。
「わかった、船をひきかえそう」
「兄上……?」
「お前は強いな」
「強い?」
「ああ、そして惹かれずにいられない。それに俺には弟を泣かす趣味はない」
くしゃり、と頭をやさしくなぜ、弘純は船のものに命令する。杭州に戻ると。
「今は杭州とは逆風だが、なんとかなるだろう、なあ? あの大火をも静める大陰陽師さんよ?」
「さあ、風の向きを変える術はしらんよ、」
憮然と、そっぽを向いて晁衡は日本語で答え、そしてなにかを諦あきらめたように大きく息をつくと弘佐に深々と頭をさげた。
「弘佐どの、失礼した」
「え?」
「あなたを日本に連れていこうとしたのは、〈理由〉があった。それはとても個人的な思いからだったが、同時に私はあなたの心をためした。本当に強いお心のお持ちだ」
「いえ……」
晁衡は「遠慮さなることはない」と、いい蒼天をみあげた。
「日本国に連れて行くといったが、実をいうと弘純はしばらくは日本に戻れないのだ」
「戻れない?」
「日本もけして平和ではない」
晁衡は東海へと視線を向けた。
故郷をみつめる眼差しはどこか冷ややかだ。
「他国との戦いは日本では無縁だ、……いや無縁ではないがほぼ日本の朝廷が掌握している。だがそれに異議をとなえて兵をあげるものがいた。それが弘純の恩師、藤原純友。
彼はこの夏、乱を起こしたが捕らえられ首をはねられた。追捕は弘純をおっている。だからいま日本にかえれないのだ」
そこまでいって、にっこりと優しい笑みをうかべた。
「……たとえ、一人では無力でも、協力してくれるものがいれば決して無力ではない。大きな力となる。……わかったか、弘佐どの」
「それと、私の力も少し、必要よ」
突如とわいたその声に弘佐と晁衡はおどろいて帆柱を仰ぎみる。
そこに、一人の少女が、香霄が仁王立ちで弘佐たちを見下ろしていた。
「香霄!」
「おや、きたのか」
「きたのか、じゃないわよ! たしかに私はあなたに弘佐をあずけたわ、けれどどこかに連れていってなんて、いってないわよっ! あんた、何か術をつかって私の目を誤魔化したわね、ゆるさないんだから」
「おや、私は社禝をおこらせてしまったな」
「他人事のようにいうんじゃないわよ! にしても弘佐、無事でなによりだわ」
弘佐は香霄のどこか青ざめた表情を視て訊ねた。
「どこか、悪いのか?」
「あたりまえよ、国から離れてるんだから!
私は呉越の社禝よっ、社禝が土地をはなれられるわけないところを無理してここまできたんだから! ……あ、」
彼女はふらりとよろめいて、帆柱から滑り落ちた。
弘佐はあわてて香霄を受けとめる。
「大丈夫か?」
「ええ、ありがとう……弘佐」
無理に微笑んでいるのが弘佐にはわかった。
それに心なしか身体が透けて、香霄を支えているつもりでも、まるで紗のように重さを感じさせない。
本当に社禝なのだ、この少女は。
香霄は苦しく息をのみ、弘佐をみあげていう。
「あなたは無事に国にかえって、元瓘……あなたの父王とあって」
「父王に?」
「王になるために、」
香霄は弘佐の腕を支えにおきあがると、その勢いで再び空に舞う。
そして、小さく呪文を唱えて風の向きを変えさせた。
帆が風をつよく受けとめ動き出す。
瞬間、大きく船体が揺らいだ。
香霄は風をよび、杭州まで船を運ぶ考えだったのだろう。
しかし、
「うわあ!」
突然の揺れに弘佐は耐えられなくて船縁につかまることもできずに、勢いのまま蒼海に投げ出された。
「弘佐!」
海面に落ちる瞬間まで弘佐は恐怖より、悲しみに似た不安に支配されていた。
香霄が消えてしまう。
そんな不安に。
弘佐の瞳は最後まで香霄をとらえる。
海面に弘佐が落ちたことを知った香霄の青ざめた顔を。




