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バンドで紡ぐイロトリドリノ音(Heavenly Light)  作者: 緋色
第1幕 悲哀のベースヒーロー
5/32

第5話

そんなことを思い返しながら歩いているとライブハウスについた。

重たい扉をそーっと開ける。


中には今日の対バンメンバーがちらほらと集まり始めていた。


「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」

挨拶は大事だ、これ絶対、試験に出るレベルで。


「おはよー、今日はよろしくねー」皆さんが挨拶を返してくれる。

リハまではまだだいぶ時間がある、ほかのバンドさんのリハでも見ていようか。


いろいろと勉強になるかもしれない、そう考えていると、灯火が大学生と思われる別のバンドメンバーに絡まれていた。

「君なんてバンドなの?え、ドラム?かっこいいね、今度俺たちとやらない?」


こいつ無駄に顔はいいんだよな、学校でも誰かに告白されたとかなんとか話を聞いたことがある。

助けに入ろうかと近寄っていくと、灯火が俺を見つけていきなり俺と腕を絡ませる。


「あたし、こいつ以外とやるつもりないので」


ナンパ野郎たちを一蹴した。ちっと言いながら別バンドの方は離れていった。


「灯火ってさ、他のバンドでやってみたいとか思わないの?」

「思わない」


はっきりときっぱりと断言されてしまった。

こいつも俺と同様あまりコミュ力は高いほうではない、別バンドでやるというのはやはり緊張したりするのだろうか?

そんなことを思いながら、1番手のバンドがこれからリハに入るところだった。


「はぁ、うまいなー、さすが年季が違うというかなんというか」

ごりごりのロックだ、昔流行っていた洋楽のコピーバンド。


あまり洋楽を聞かない俺からするとかなり新鮮な気持ちを感じていた。


次々にリハが終わっていく。


「ごめーん、遅くなっちゃった!」


日和さんがライブハウスにはいってくる。

俺たちの番は次の次、結構ぎりだが間に合ってよかった。


「大丈夫だよ、次の次かな」

「それなら良かった、私のソンくん持ってきてくれた?」


「ここにばっちりと」


日和さんのギターは、ソンくんと呼ばれている。

単純にギターのメーカーからその名前を付けているようだが、そのネーミングセンスはどうなのか。


まあ俺も、日和さんに影響され自分のベースをアトリくんと呼んでいるため何も言えない。

ちなみに男の子の設定だ、女の子にすると倫理的にまずい気がしたので男の子にした。

灯火にはあほくさっと言われた。スティックをてぃっくんとか呼べばいいのに。


「リハ宜しくお願いしまーす」

俺たちの番になる、ドラムから音を鳴らしていく。


「すみません、返しもう少しもらえますかー?」

「では他の音ありますかー?いえ、ないでーす!」

リハはいつも通り、特に問題もなく終了した。


「じゃあ開演までどうしよっか?」

「私は少し寝るねー、もう眠気が限界」


日和さんが、控室のソファーに突っ伏して寝る。

このままの日和さんを放っておくわけにもいかないので、俺たちもソファーに座り開演を待つことになった。


「あ、そうだ、新曲作ってみたんだけど、ちょっと聴いてくれない?」

灯火に話しかける、曲ができたときはいつも一番に灯火に聞かせることにしている。

よくも悪くも遠慮がないので、素の意見がもらえる。


灯火はイヤホンを取り出し、曲に集中する。

実はこの瞬間がめちゃくちゃ緊張する。

なんか自分の内面を覗かれているような、まだ裸を見られるほうがいいというかなんというか。


「いい、これいいね、ノリもいいし何より聞きやすい」

「勢いだけでもないから、歌詞とかもしっかり聞いてもらえそう」


よかったぁー、俺はほっとする。

灯火は悪ければ悪いと言ってくる、それで没になった曲は数知れず。


「これもっと手数増やしてもいいかな?」


「まあデモのドラムは打ち込みだし、そのほうがいいと思うぞ」


「ベースは結構シンプルでもいいかもな」


こうやって、新しい曲を生み出していく。

ああでもない、こうでもないと言いながら曲を作っていくのは楽しかった。

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