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バンドで紡ぐイロトリドリノ音(Heavenly Light)  作者: 緋色
第4幕 お嬢様ヴァイオリニストの想い
24/32

第24話

そして夏休みも終わり……。


俺のクラスにはバンドメンバーが集まり、

俺はネットに上げた曲の再生数が増えていること、ついったぁのフォロワーが爆発的に増えたことの話をしていた。


「……なんかすごいことになってるんだけど」


「これって、もうプロデビューできるんじゃないですか!?」


未来がはしゃぎながらそんなことを言う。

いやいや、再生数とフォロワーが増えたからといって、

今流行のバンドやクリエイターと比べると、全くもって勝負にもならない。


しかしコメントでは、次のライブはいつなのか?という問い合わせが多数きていた。

どうしよう、全く考えてなかった……。


だが、バンドをやっている以上、ライブの予定がないとモチベーションも上がらない。

何か対バンでちょうどいいようなイベントでもあるだろうか?

結成一年未満の新気鋭バンド!なんて集まりがあると嬉しいんだけど。


店長に相談してみるかなーと思い、俺はライブハウスへ向かうのだった。


最後にやったのが高槻フェスか。やっぱ新曲も作りたいよなー、なんて思いながら。

……ていうか、俺たちライブハウスのライブ全然やってなくないか?


久しぶりにいつものライブハウスに顔を出す。

ライブハウス・ラズベリー。

俺が初めてライブをした場所であり、ここら辺の学生たちはほとんどお世話になっているだろうライブハウス。


店長が後ろから出てきた。


「あ、お久しぶりです!」


「おー、高槻フェス見てたぜ!なかなかおもしろいことやってくれるじゃないか!」

「あれからウチにも問い合わせ結構来てるんだぜ!Heavenly Lightはいつライブするのかー、ってな」


そういえばついったぁでも何の情報も発信していない。

ライブのスケジュールがなくても、今の状況くらいは書き込んでおけば良かった。


そのへんのSNSの使い方も、まだよくわかっていない。

それに比べて、ミミさんのバンドはこまめにいろんな情報を発信している。


ライブや新曲の告知だけでなく、普段の生活風景なんかもアップしていた。

そのかわいい見た目も相まって、フォロワーはどんどん増えている。

それとは別に、あまり私生活を見せないようにするというのも一種の戦略ではあるんだろうけど。


そう思っていると、店長がびっくりすることを言い出した。


「そろそろワンマンライブでもしてみたらどうだ?人は充分集まるだろう」


「ワンマン!?人集まりますかね?」


うーん、ワンマンか、それはもちろんやってみたいとは思うのだが、そんなにお客さんは集まってくれるのだろうか?

更に深刻な問題だが、まだ2時間やるほどの曲がない。ライブまでに新曲を作るにしてもまだまだ足りない。


それに新曲なんてそう簡単にできるものじゃない。

今までは未来や、天音というメンバーにインスピレーションをもらい、なんとか曲はできたのだが、今は全く何も思いつかない。


「なら、うちらとやろうよ!」


そこにはミミさんがいた。


「うちらと、ツーマンライブならいけるんじゃない?」

「うちらも結構お客さん増えてきててさ!ちょうどやりたかったんだよ!」


……ツーマンライブ、それは考えていなかった。

でも、それならいけるかも?


「ちょっと俺だけでは決められないので、メンバーみんなとも相談してみますね」


「OK、こっちは全然やる気だから、いい返事期待してるよー」

ミミさんがひらひらと手を振りながらライブハウスを出て行った。


「ミミたちのバンドも結構人気でなー、今度どっかのインディーズレーベルの人が来るとかなんとか」


え、まじか。

そこでスカウトなんてされたら、ミミさんもインディーズデビューだ。

何か何歩も先を行かれたような気がして悔しい。


……でもまあデビューできる人なんて本当に一握りだ。

それこそ、どれだけ上手くてもダメな場合もある、逆に多少下手でも運よくデビューできることもある。


しかも、デビューしたからと言ってそこで終わりでもない。

そこから人気を維持していかなければならない。一発屋、そんな言葉もあるくらいだ。

そこまで考えて、いや俺には関係ないことだな。そう思った。


「もし、ツーマンするとして、スケジュールって空いてるんですか?」


「まあいけないことはないな。……あ、今このスタジオ暇なんだろって思っただろ?」

「……そうだよ、暇なんだよ!いつ潰れるかわかんねーの!経営ってのも厄介なもんだぜ、ったく」


このライブハウスが潰れてしまうのは絶対に嫌だ、昔からずっとお世話になってきた。

初ライブもここだったし、近場の学生はたいていこのライブハウスでライブをする。

ここが無くなってしまったら、これからバンドをやる学生たちも困るだろう。


「俺、嫌ですよ、絶対潰さないでください。ここは、俺と灯火、日和さん、みんなの思い出が詰まっているんですから」


「当たり前だ、潰してたまるかよ。ってことでお前らが有名になって助けてくれや!」


店長は笑いながらそんなことを口にする。

プロデビュー、もしそんなことが可能ならこのライブハウスは一気に有名になるだろう。


だが、今はそんなこと全く考えてはいない。というよりも考えても仕方のないことだろう。

プロになれるなんてほんの一握り、なれる訳なんてない。

今はただ、バンド活動が楽しい。それでいい、先のことはその時に考えよう。


そんなことを考えてる間に、店長がスケジュールを確認してくれたようだ。

「うーん、11月頭の土曜日だな、そこなら空いてる。ミミにも連絡しとけ」


俺は灯火、未来、天音のグループにメッセージを送る。

「今度ミミさんたちとツーマンライブ、どう?」

「いいんじゃない?」

「はい!やりたいです!」

「わ、わたしもやりたいです」


灯火、未来、天音が賛成の意思を示してくる。

うーん、ならやってみるか!俺はそう決意した。


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