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生彩放つ無神世界  作者: 美緑
〜第十章〜禁色彩禍の画罪
104/105

敵対する者

✿ ┈ ⋯ ┈ ✿ ┈ ⋯ ┈ ✿ ┈ ⋯ ┈ ✿

《探偵視点》




『形無く、影無く……然れど数多の万物を揺るがす力…。

不可視の舞よ、乱れ吹け。

第十一詠唱――"幽嵐乱舞"』

『燃えて踊って舞い散れ!紅の札と黒の影!!

運命を掴む手札はすべて私のもの!

第八詠唱――運命の札

"ルビーカルタ・インフェルノ"!』


アルテとクイーンの戦いは、苛烈を極めていた。

……とはいえ、純粋な実力差は明白だ。

英雄であるアルテの方が、圧倒的に上。

「……ッ」

けれど――

ホノ不在のせいで魔法を使えない私を庇いながらの戦闘。

そのせいで、アルテは攻撃よりも防御に魔力を割かざるを得なくなっている。


「私がこんだけ攻撃しても、おチビちゃん守れるんだ……。

流石だね、強すぎ」


クイーンは、明らかに不服そうな声でそう言うと、また私を睨みつけた。

……いやー!!怖い!!

やっぱりまだ私の事狙ってたんだこの子ッ…!

殺気を含んだ視線に思わず身を竦め、私は反射的にアルテの背へ隠れる。

するとアルテは、クイーンの視線を遮るように、静かに腕を広げた。


「……言ったはずです。

探偵さんを、傷つけさせないと」


……頼もしい。頼もしいんだけど……。

やられっぱなしは性に合わないし、本当ならやられた分はやり返したい。

けど……今の私では魔法を使えないし、アルテが戦ってくれているから翠羽の力を借りる事もできない……。

にしても――ホノ、ほんとに遅いな……?

リハイトなら神足もあるし、もうとっくに来ていてもおかしくないはずなんだけど……。


私は不安に駆られて辺りを見渡すが……ホノの姿も、リハイトや永護の姿も見当たらない。

そういえば――

ホノを連絡役として飛ばすと、いつも結構な確率で小さなトラブルに巻き込まれていたような……。


「……まさか、今回も?」


そこまで考えて、私は思わず頭を抱えた。

今のところ、アルテが負ける心配は無い。

……でも、クイーンを完全に追い返せるかと言われると、正直、怪しい。


――ガサッ……ガサ……


私が必死にリハイト達の到着を祈り、目を閉じた……その時だった。


──ガサガサッ……ガサッ…


突然、茂みを掻き分けるような音が、こちらへ近づいてくる。

……何かが。

……いや、誰かがこっちに来る…!

私は思わず身構えた。

だってこの足音は、一人分。

リハイトと永護ではないのは明らか……当然、ホノでもない。

なら……誰が?



「……え?」


警戒を強めて茂みを睨むと、音を発していた主は、拍子抜けするほどあっさり姿を現した。


「な……なんで……」


――その瞬間。

私は完全に、動けなくなった。


「いやぁ……探したよ、クイーン」

「遅いよ!"シャム"!」


その名前を聞いた瞬間、胸の奥が、ひどく静かに冷えた。

”シャム”。

そう呼ばれた魔族の少年を、私は――確かに知っている。


だって、この子は――

“私”の……

”エタンセルの子”なのだから。




✿ ✿ ✿ ✿



「シャム、シュウが言ってた通り、私一人じゃ勝てない。手伝って」


放心していた私を、クイーンは待ってくれなかった。

その言葉は、まるで最初から私など眼中に無いように、迷いも躊躇もなく放たれる。

……そして、それはシャムも同じだった。


「異能力……”詠唱付きで”使うの?」

「だって効かないと困るでしょ!ほら、時間稼いで!」

「いいよぉ」


軽い返事をしたシャムは、すぐに魔法詠唱へと入る。


『呪魔廓大……。

雷と闇の使い魔、"ムルムール"よ。

俺は君の主……シャム。

眠くても、怖くても……一緒に戦ってくれるよね?』


呼び掛けに応じて現れたのは、小さなネズミの使い魔だった。

ネズミはぴょんと跳ねるようにしてシャムの頭へ登り、眠たそうな目で私達を見渡す。

……その時。

シャムも、同じようにこちらを見ていた。

――けれど。

「あ……」

私が、誰なのか……気付いていない。

その視線は、私を”エタンセル”として捉えていなかった。


「………。」

それを寂しいと思ってしまうのは……仕方ない、よね。

それに、まぁ……。

見た目も年齢も全く違うし……気付かれた方が、むしろ不自然だ。うん。びっくりする。

そう自分に言い聞かせていると――シャムは、少し眉を下げて、アルテに言った。


「久しぶりに会えたのに、ごめんねぇ……。

魔女が君を、早くお城に呼びたいみたいでさ……。

シデロの事も、俺達の事も、赦さなくていいよ」


……あぁ。

やっぱり、シデロって――あの放火魔の事だったんだ。

なら……シャムも、魔女の命令で……。

「ッ……。」

私は、自分の可愛い息子が、ドミシオンに利用されている事実を突き付けられ、胸の奥が、静かに崩れていくのを感じた。

――でも。


「……やはり、貴方もドミシオン様に……」


アルテはそう言って武器を握り、悔しそうに視線を伏せる。

その言葉はまるで――

シャムが利用されている事を、最初から予想していたかのようだった。

実際、彼女はシャムが茂みから現れた時も、ほとんど驚いた様子を見せなかった。

……それに……。

対立せざるを得ないこの状況下でも、悔やみこそすれ、絶望している様子は無い。

あぁ……アルテは強い……。

今ここでシャムと戦う事になっても、武器を離していない。

私は、そんなアルテの背中を見て、ようやく我に返った。


「探偵さん……彼は、操られているだけです。

大丈夫……救えます」


顔を上げると、私にだけ届く声で、アルテはそう言ってくれた。

……そうだ。

だって――まだ希望はある。

諦めてないんだ…!

ドミシオンさえ倒せば……シャムを救えるから!



『──ぱらぱら舞い散る紙片は、影が宿れば兵隊に。

ハサミの音で目を覚まし、闇に揺れるは紙人形……。

……さぁ、遊んでおいで?

第一詠唱――"ペーパードールズ"』


私が希望を掴み直した、その瞬間だった。

シャムの魔法が発動する。

──くるくる……くるくる…。

無数の紙人形が宙を舞い、気付けば私達を囲い込んでいた。

攻撃してくるわけではないが、アルテの風で吹き飛ばしても、ひらひらと舞い戻って来て厄介だ。

……なるほど。これは確かに、足止めに適している。

――なんて、

冷静に分析している場合じゃなかった。


『異能力行使……我が名はクイーン……!

金狐の名の下に、汝へ愉快な喜劇を観せると約束しよう!

我こそが闇夜の女王……従え、ひれ伏せ!

最終詠唱……女王の命アマリリス!』


紙人形の対処に手間取っている間に、クイーンの詠唱が――終わってしまった。


「ッ?!」


放たれたのは、魔法ではない。

――異能力。

しかも詠唱つき……!


「まずい……!」

紙人形への対応で魔力を使っている今、異能力を防げるほどの防御魔法は張れない。


「ッアルテ!避けて!!」


私は咄嗟に叫んだ。

けれど――


「───ッ!!」

「なッ?! アルテを離せ!!」


無駄だった。

異能力が放たれた瞬間、紙人形達が一斉に絡み付き、アルテの動きを封じた。


『風の力を、封じよ』

「あ……ッぁ……」


「ッ?!アルテ!!」


異能力は、そのままアルテに直撃した。

途端に苦しみ出すアルテの姿に、胸が一気に締め付けられる。

何をされた……?

クイーンの異能力…ッ効果はなんだ?!

早く解かないと…!

でもどうやって……あぁ…どうすれば?!?!

対処法が分からず、分からないまま、私はアルテを庇うように必死でしがみついた。

するとクイーンは、可笑しそうに笑って口を開く。


「はー、よかった!

やっぱりおチビちゃんがチーターだっただけで、私の不調じゃなかったんだ~!」


そしてそのまま、苦しむアルテへ手を伸ばす。

けど――させるものか。


「ッアルテに何したの?!」


その手を阻むようにして私が前に出ると、クイーンは露骨に嫌そうな顔をした。


「は?

おチビちゃんにはもう用無いから、黙っててよ」

「ッうわ?!」


アルテを守りたかった……けど、魔法の使えない状態では、まともに太刀打ちできるはずもなく……。

私はクイーンの浮遊魔法で容赦なく吹き飛ばされる。

視界が回り、背後に崖の気配を感じた。


「ッ?!、探偵さんに……酷い事……しな……でくださ……い」

「ちょっ、大人しくしててよ!」

『ッ光の矢……!!』


異能力を受けてなお、アルテは――私を護る為に、動いてくれる。

……それに比べて私は。何も、出来ない……。

悔しくて、痛む体を無理やり起こしても、ホノの姿は、まだ見えない。

このままじゃ……アルテが……連れていかれちゃう……。


「ッ詠唱付きで異能力使ったのに、まだ戦えるの?!」

「英雄って本当に強いねぇ……」


「風の力を……封じ……られたのなら……

ッ光魔法を、使う……までです……!」


アルテは、たった一人で――

クイーンとシャム、二人を相手に抵抗を続けていた。

……なるほど。

どうやらクイーンの異能力は、”力の一部を封印する”ものらしい。

呪いの類……って事か。

完全な無力化ではないのなら、おそらく時間経過……もしくは術者の解除で解けるタイプの呪いだろう。

体に直接害のある術ではないと分かり、ほんの一瞬だけ、胸を撫で下ろす。

――けれど。

それでも。

今は……あまりにも、心許なかった。



「……ねぇ、本当は私、アンタと戦いたくないんだ」


兎に角アルテの近くまで戻ろうと、体を引きずるように動いた、その時だった。

唐突に――

クイーンが、そんな事を言い出した。


「探偵さんと私を攻撃しておきながら……今更……何を言って……」

「仕方ないじゃん。

……魔女の、命令なんだもん」


急にしおらしくなるクイーンに、私もアルテも、ただ困惑するしかなかった。

……だが。

この子もシャムと同じく、魔女の命令で動いていたのだとしたら――可哀想だとは、思ってしまう。

背丈や幼い容姿から察するに、彼女はせいぜい十歳か十一歳。

命令に逆らえるほど大人でもなく、一人で生きていけるほど自立もしていないだろうに……。


「ねぇ……戦うの、やめよ?」


クイーンはさらにしおらしく……なんならもう子猫みたいに大人しくなっていた。

……ここまで暴れておいて、なぜ今になって踏みとどまったのかは分からない。

けれど、敵対する意思が無いのなら、これ以上戦う理由もないだろう。


「アルテ……どうする?」


クイーンに吹き飛ばされて打撲だらけになった体をどうにか起こし、私はアルテの傍へと近づく。

――その時。


「……ッ、う……そ……」


アルテの様子が、明らかにおかしい事に……ようやく気付いた。


「アルテ?!

どうしたの?!ねぇ!!」


私は、体の痛みなど忘れてアルテに飛びつく。

彼女の身体は小刻みに震え、顔色は真っ青で……今まで一度も見た事のないほど、動揺していた。

どうしちゃったの……アルテ……。

何が起きているのか、分からない。


「そんなおチビちゃんより、私の方が大事だよね??」


困惑しながらアルテを支えていると、今度は魔法ではなく――

物理的に、クイーンに引き剥がされた。


「ッちょっと、何する……」

「か…”華暖”……」


「……え?」


私の事などまるで見えていないクイーンの行動にムカついて、文句を言おうとした、その瞬間。

アルテの口から――

”ここにいるはずのない名前”が零れ落ちた。


「私の事、大事だよねぇ?

……“お姉ちゃん”?」


アルテの言葉を肯定するように、クイーンは、彼女を“お姉ちゃん”と呼ぶ。

そして、その手には――

小夜家の耳飾りが握られていた。


「……華暖……なの?」

「そう。

私は正真正銘、アンタの“妹”だよ」


クイーンは、そう言って笑う。


「なーんか卑怯だから、泣き落としみたいなマネ、したくなかったんだけど……。

異能力使っても勝てなそうだし……まぁ、仕方ないよね?」


言葉を失ったアルテにそう告げてから、クイーンは自分の耳に耳飾りを着ける。

……アルテとは、反対の耳に。


──小夜家の耳飾りには、それぞれの持ち主を象徴する宝石が一つ、美しくあしらわれている。

破天さんは――黄色。

雅火さんは――青色。

永護は――白色。

アルテは――緑色。

そして、クイーンの耳で揺れているのは……赤。

……その赤い耳飾りを、私は見た事があった。

――明晰夢で。



「……そんな……どうして貴女が……」


「アンタの敵側に回るのかって?

……別に理由なんて無いよ。

なんとなく、エデンカル帝国がキライだから……って感じ」


シュウやシャムが魔女に利用されていると知っても、比較的冷静でいられたアルテでさえ――流石に、自分の妹までが同じように利用されているとは、思わなかったのだろう……。

十年もの間、探し続けていたんだから……ずっと、会いたかっただろうに……。

……それが、まさかこんな形の再会になるなんて……。

本当に――

ドミシオンは、なんて残酷な事をするのだろう。


「貴方が帝国を嫌いでもいい……。

私は……ッ私は、華暖が元気なら……それで、いいの」


アルテは、震える手でクイーンに触れた。


「ねぇ…華暖……お願い……家に帰ろう?

……二人で、一緒に」


覚束ない動きで、それでも確かに――

彼女は妹を、腕の中へと包み込む。


「……あったかい」


十年もの間、離れ離れだった姉妹は、今ようやく……互いの温度に触れたのだ。

アルテに抱きしめられたクイーンの瞳には、光が宿っていて……。

その声は、心なしか……少しだけ、柔らかく聞こえた。


「……そうだね。

一緒に帰ろ、お姉ちゃん」


その時、クイーンは確かにそう言った。

――“アルテと一緒に帰る”と。


「……ッ、華暖!」


アルテは、その言葉がどれほど嬉しかったのか。

目に涙を溜めながらも、それでも確かに、笑っていた。


「良かったね……アルテ!」


私も、クイーンに吹っ飛ばされた痛みも恐怖など、すっかり水に流して――この光景を、微笑ましく眺めていた。

……けれど。


「……でもさ」


その声は、あまりにもあっさりしていて。


「これからアンタが帰る家は、翠山じゃなくて――

”魔王城”だよ」

「――ッ?!」


私達は、一つ……決定的な事を忘れていた。

――クイーンもまた、

魔女によって“洗脳されている”存在だという事を。

……次の瞬間、

首元の秘石が不気味に明滅し、彼女の瞳から感情が消える。


『素晴らしくて珍しくて美しい物を……。

可笑しくて貴重で愉快な物を……。

大事に、上手に、丁寧に……。

囲って捕らえて、逃がさぬように……。

第三詠唱、炎の檻――“プリズルビート”』


またしても態度が悪い方に一変したクイーンは、自分を抱きしめていたアルテの腕を掴み、そのまま詠唱を終える。

次の瞬間――

燃え盛る炎が、アルテの周囲をぐるりと取り囲んだ。


「ッ……しまった……!」


今のアルテは、風魔法を封じられている。

自力で、炎の檻から抜け出すのは……きっと、難しい。


「うっ……火は……、…駄目……ッ

全てが……ぁ…あ、あぁ…燃えて……

うッあ、いや……お願い……返して……や、やだ……ぁ……

……ッあぁ……!いやぁッ!!」


炎の中から聞こえてきた、あまりにも痛々しい悲鳴に――

私は、泣きそうになった。

いつもは平然としているアルテだけど、本当は……全然、大丈夫なんかじゃなくて……。

十年前の、翠山の大火災は、今もなお、あの子の心を蝕んでいる。

今回の火災事件だって、本当は……怖かったはずなのに。

それでも自分で調べて、向き合って、解決して……。

アルテは、私の知らない所で、ずっと……ずっと、頑張ってきたのだ。

それなのに――

風の力も使えない状態で、一人、炎の中に閉じ込められて……。

……あぁ。

なんで私は、何も出来ないんだ。


「ようやく……戦意喪失してくれた」


私が絶望に沈んでいると、クイーンは、アルテを炎の檻に閉じ込めたまま、自分だけ外へと出てくる。

そして――

未だに立ち上がれずにいる私を見て、笑った。


「これでもう、護ってもらえないね?

……おチビちゃん?」


……最悪だ。

彼女の言う通り、今の私は――抵抗する事すら、できない。


『──キュ!……モキュ!』


「……。」

でも……

その小さな鳴き声が聞こえた瞬間、胸の奥で何かが――確かに、点いた。


「……こんな酷い事して……許さない。

きっと、後悔するよ」


「……は?」


一人じゃなければ、抵抗できる。


『──魔力覚醒!

水と土の使い魔ホノよ!

私と力を合わせて、敵を打倒しよう!

自然力と、全ての生物に敬意を表し!

素材そのまま、意のままに!

……第一詠唱、“マテリアルショット”!』


「ッいたぁ?!は?なんなの?!」


魔法が発動した瞬間、クイーンは――

豆鉄砲を食らった鳩みたいに、目を丸くした。


「なんでアンタ、魔法を……」

「なんでって?

そりゃ――私の相棒が、ギリギリ間に合ったからだよ!」

『モフッ!モキュ!!』


私は、喚び出したホノを強く抱きしめる。

正直ギリギリ過ぎて今度こそ死を覚悟したけど……やっぱりこの子は、ちゃんと”連れて来てくれた”。


「アルテ!探偵!無事か?!」

「ッ姉上!!探偵さん!!」


ヒーローは遅れてやってくる――とは、よく言うものだが……。

今回は流石に遅すぎる。


「リハイト!永護!

お願い!早くアルテを助けて!!」


私は叫ぶ。

リハイトも永護も氷の魔法使いだし、きっと直ぐにあの炎を消せるだろう。

……私は、二人が炎の檻へと駆け出すのを確認してから、改めてクイーンに向き直った。


するとその時……

クイーンの表情が――ほんの一瞬だけ、歪んだ。

援軍の到着。完全に逆転した形勢。

そして、炎の檻から救出されようとしているアルテの姿。

……クイーンは、それらを見つめながら、何かを――必死に堪えているように見えた。

首元の秘石が、不規則に明滅している。


「自分のお姉ちゃん傷付けるとか……どういう神経してんの?!」

「ッおチビちゃんには関係ない!

てか、あれただの熱い檻だし。

大人しくしてれば、怪我なんてしない」


私が怒鳴ると、クイーンも攻撃魔法を飛ばしながら言い返してくる。

そっちがその気なら私だって――!

既にボロボロの体に鞭を打ち、私はクイーンと真正面から攻撃魔法を撃ち合った。


「ずっと火の中に閉じ込められたら、息ができなくなっちゃうでしょ!!

それにアルテは……炎が、怖いのに!」

「酸欠なんて、ちょっと我慢すればいいだけでしょ。

……炎怖いとか、私……知らないし」


そう言い返すクイーンの声は――

しかし、どこか力が抜けているようだった。

攻撃の手も、さっきまでと比べて、明らかに鈍っている。


「君が洗脳されてるのは分かってる!

でも、だからって何してもいい訳じゃない!!」

「ッうるさい!!なんなのアンタ!?さっきからッ……!

関係ないじゃん!部外者なんだから!!」


はぁ…もうまったく本当に……ああ言えばこう言う……。

「……。」

それにしても。

クイーンは、信じられないほど戦い慣れている。

魔界でどんな生活をしてきたのかは知らない。

けれど――

それなりに、過酷だったのかもしれない。


「────ッ!」


クイーンとの戦いは、明らかに――私が不利だった。

攻撃に手一杯。負傷した体で守護魔法を張る余裕なんて無くて……。

次々と放たれる火球が、私の体に直撃する。

……これじゃ、勝負にすらならない。


「あがッ……」


クイーンの魔法を受けきれず、身体が宙を舞った。

次の瞬間、地面に叩きつけられる衝撃――

……の、直前。


「ッ探偵さん!!」

「――ッ」


腕を掴まれ、引き寄せられる。

すぐ傍にあったのは、永護の背中だった。


「アルテ……ッアルテは、無事?」


息も整わないまま、私はそれだけを聞いた。


「あぁ。少し酸欠気味だが……怪我も火傷もしていない。

今、リハイトさんが姉上の手当をしてくれている。

だから……大丈夫だ」


その言葉を聞いた瞬間、胸の奥に溜まっていたものが、ようやく下りた。

……よかった。

うん……大丈夫だよね。

それにもう此処には、リハイトも永護もいるんだから。


「すまない……。俺は、治療は不得手で……。

リハイトさんから、これを預かっている。

飲んでほしい」


私が安堵の溜息を吐くと、永護はそう言って、回復ポーションを渡してくれた。


「でも、クイーンが……敵が、まだ……」


ポーションは有難い。

けれど、飲んでいる間に攻撃されたら――

そう思って口にすると、永護は迷いなく刀を抜き、私の前に立った。


「回復するまで、俺が相手をする。

それを飲みきったら、直ぐにリハイトさんと合流しよう。

……絶対に、姉上を連れて屋敷へ戻るぞ」


「……うん!」


仲間がいる事。

それが、どれほど頼もしいのか……私は改めて感じた。

……けれど。


その時だった。

クイーンの動きが――完全に、止まった。

彼女は、リハイトに手当てされているアルテの姿を、じっと見つめている。

その瞳には、さっきまでの攻撃的な光は無く――

代わりに、何か複雑な感情が渦巻いているように見えた。


「──あぁッムカつく……イラつく……!」


秘石の明滅が、一段と激しくなる。

洗脳の呪いと、彼女自身の意思が――

激しく、せめぎ合っているのだろうか。


「あと……あと、もう少しで……お姉ちゃんと……帰れたのに……!」


安堵する間もなく、クイーンは私達に襲いかかって来た。

――いや、違う。

正確には、彼女の影が不自然に膨らみ……

そこから、恐ろしく禍々しい何かが“這い出してきた”のだ。


「───ッ……う……!」

「ッ永護?!」


最初に狙われたのは、私を庇って立つ永護だった。

禍々しい“それ”は、形を定めきれないまま、牙のような圧で迫る。

永護は刀で受け止めているが……明らかに押されている。


「ッ探偵さん!

俺は、大丈夫だ!兎に角、今は回復を……!」


それでも彼は、私を守る位置を一歩も譲らない。

……そうだ。

永護の言う通り、先ずはちゃんと回復しなきゃ逃げきれない……!

私はポーションを一気に飲み干し、そのまま永護の傍へ駆け寄った。


「アルテとリハイトの方は……?!」


永護の背中越しに、私からは見えない二人の様子を尋ねる。

すると――


「姉上とリハイトさんが……魔族に、邪魔されている」


予想以上に、最悪の返答が返ってきた。

あぁ……そういえばシャム、異能力どうこうの後から見てないと思ったらそっち行ってたの……。

へぇ……アルテ達の邪魔しちゃってるのか……ふーん……。

「……。」

………なんて事だ。

これでは逃げるどころではない。


「とりあえず、私達は”こっち”を何とかしないと……」


私は痛くなる頭に手を当てつつ、クイーンの影から襲いかかってくる禍々しい物を見た。

――恐らくだが、コレは、魔女ドミシオンの呪いが暴走でもしているのだろう……。どう見ても、クイーン本人の意思で動いていない。


「……呪いを、どうにかできれば……」


思わず零した私の呟きに、永護がクイーンの首元を指差した。

そこには、鈍く赤黒い光を放つ……”朱殷の秘石”。


「あの複製された秘石から、強い邪気を感じる」


「……なら、あれを壊せば……?」

「洗脳……呪いを解く事が、できるやもしれない」


――やってみるしかない。

このまま、呪いから生まれた禍々しい“影”と延々戦い続けるのは現実的じゃないし、それに……もし。

クイーンとシャム、二人の呪いが解けるのなら――

それ以上の結果はない。


「そうと決まれば……」


私は深く息を吸い、詠唱に入る。


『──自然力と全ての生物に敬意を表し!

素材そのまま意のままに!

……第一詠唱、マテリアルショット!』


狙いは、迷いなく――

クイーンの首元の秘石。

細かく圧縮された魔法弾が、寸分違わず秘石を撃ち抜く。

その途端、

──パキッ……と、秘石が砕け散る音が聞こえ……同時に、彼女の身体が大きく揺らいだ。


「――うッぁ……」


……効いてる。


「ックイーン!!」


クイーンを攻撃した事で――

正確には秘石を狙った事で、シャムがこちらへ駆けてくる。


「……ごめん、シャム」


私は短くそう告げ、彼の胸元へと照準を定める。

そして――

「君の秘石も、砕かせて」

同じ魔法で、シャムの秘石も撃ち抜いた。


「ッ……」


秘石が砕けると同時に、シャムは驚くほど呆気なく崩れ落ちた。

……やっぱり。

あの秘石が、二人を操り、縛っていたんだ。


「俺達を襲ってきた影のような化け物も……

秘石が砕けると同時に、消えたな……」


永護は周囲を警戒しながら、地に散った秘石の欠片を回収する。


「魔女の呪いとは……斯様に、恐ろしい物なのか……」


呪いが完全に解けたかは分からないが……。

これで、呪いが形を持って暴れる事も、これ以上二人が苦しむ事もないだろう。


……そう、思ったのに。


「――ふッ……あはッ!」


……あぁ、駄目か。

私は、笑い声のする方を見てウンザリした。

嫌な予感は、大体当たる。


「ねぇアンタ達。

やっぱり単純すぎない?」


そこには――

先程まで倒れていたはずのクイーンとシャムが、想像以上に、あっさりと立ち上がっていた。


「確かに秘石が呪いの源…。

……だけど、私達、ずっとそれ着けてきたんだよ?」


クイーンは、楽しそうに肩を竦める。


「呪いが身に染みてる可能性とか、考えなかったわけ?」

「ッ……」


……悔しいけど、彼女の言う通り、呪いの源を絶つだけでは、解呪までできないのだろう。

多少の殺気は減ったが、それでもまだ私達に対する敵意は消えていなかった。

あぁ……参ったなぁ……。

呪いが薄まってるようにも見えないし……。

やっぱり、呪いを完全に消すには、魔女本人を……、呪いの根源を、叩き潰さないといけないのかな?



「ねぇクイーン……。今回は、撤収しない?

2対4は流石に勝てないでしょ?

異能力も使っちゃったしさぁ……」


「……ちッ」


クイーンが憎らしげに私を睨みつけるので、まだ戦う気なのかと思いきや……。

意外にもシャムのその一言で、彼女は舌打ちしながら武器をしまう。

私はそれを見て、ほんの一瞬、安堵しかけて――

「……あのさ」

けれど、どうしても胸に引っかかる事があって、口を開いた。


「……今日、アルテを連れて帰れなかったら……。

君達、魔女に酷い事、されるの?」


それは、二人の安否についてだ。

今は敵対していても、本来……クイーンとシャムは、私達にとって大切な存在だ。

もし二人が、この失敗のせいで傷付けられるのなら……。

それを知っていながら、見過ごすなんて出来ない。

どうにかして二人を助けなければ……。


「……。」


一瞬の沈黙の後、返ってきたのは――

あまりにも、寂しく素っ気ない言葉だった。


「私達が失敗しても……魔女は、気にしない」


私は思わず身構えたまま、言葉を失う。


「ハナから、私達に期待なんて、してないから」


唖然とする私を置き去りにして、クイーンは淡々と続けた。


「……お姉ちゃ……。

竜は、絶対……シュウの招待に応じる。

その時、魔女の願いは叶う……。

だから別に、失敗しようがしまいが……褒められも、怒られもしない」


そこまで言って、彼女はふっと視線を落とした。

私はその姿を見て、マイユスの言葉を思い出す。


――『彼女は自分の望みの為なら、どんな犠牲を出してでも突き進む、正真正銘のろくでなし。

……己の子供さえ、純粋に愛せない悪魔だ』


あぁ……本当に、その通りだ。

ドミシオンという魔女は、なんて身勝手で、残酷な存在なのだろう。

子どもである二人に、危険を冒してまで誘拐を命じておきながら――

成功しようが、失敗しようが、構わない。……なんて。

これでは、まるで捨て駒ではないか。


「今、魔女が望んでいるのは……

竜が、世界に絶望して……他者を憎んで……暗くて、深い闇に染まる事」


クイーンは、自分に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。


「妹である私が、敵として現れたら……

……効果は、絶大でしょ?」


自嘲気味な笑み。

陰りきった瞳。

彼女はきっと、自分の役割を、最初から理解しているのだろう。

――実の姉を傷付ける事。

それこそが、自分の存在価値なのだと。


……火災現場にクイーンが描いた絵を巻いたのは、シデロなのかもしれない。

自分の妹が火災事件に関わっていると思わせて……アルテの心に傷をつける為……。それだけの為に……。


「……ッ」


私が何も言えず、顔を歪めていると。


「なに?その目。……まさか同情?

ハッ……やめてよ、めんどくさい」


クイーンは鼻で笑った。


「私は、どれだけ自分が利用されても……悲しくも、悔しくもない。

……だって、何もかも、どうでもいいから」


そして……

そう言い切った、その直後。


「……でもやっぱり」


クイーンは、私を見据えて言った。


「アンタの事は、気に食わない」


その瞬間――

クイーンの首元の秘石が、再び激しく明滅し始めた。

彼女の表情が歪む。

まるで、何かに抗うように――けれど、抗いきれないように。


「ッ……クイーン?」

「アンタは……アンタみたいな部外者が……!

何も知らないくせに……同情して……優しい言葉をかけて……!」


クイーンの声が、震える。 それは怒りなのか、それとも――


「……そんな顔で見ないでよ。 "可哀想"なんて……思わないでよ……!」


悲鳴のような、叫び。

次の瞬間―― 彼女の影が、再び不自然に膨れ上がった。


「ッ?!」


あの禍々しい"影"。

その残骸が、まだ彼女の影に潜んでいたのだ。

そして、それは――

クイーンの激しい感情に呼応するように、暴走し始めた。


「あッ……あぁ…もうやだ……止まって……!」


クイーンが必死に制止しようとするが、影は彼女の意思を無視して――

私の身体を、突き飛ばした。


「……え」


あまりにも、一瞬だった。

自分が何をされたのか、理解する前に――

足元が、消えた。


「ッ探偵さん?!」


永護の叫び声が、急速に遠ざかっていく。


「ッ……あ……そんな……ッ

ほ……ほんとに殺すつもりは……!」


遠ざかっていく視界の中で――

クイーンが、震える声でそう呟いたのが聞こえた。

彼女の表情は、明らかに――動揺していた。

それを見た瞬間、私はようやく――

自分の身体が宙に放り出されている事を理解した。

嫌な浮遊感。

内臓が置いていかれる感覚。

このままでは、本当に――崖下まで、落ちてしまう。


「ッ……うぅ……」


焦った私は、必死に腕を伸ばし、掴めそうなツルやツタにしがみついた。

指先に、確かな感触。

……けれど。

頼りない。

長くは、持ちそうにない。


「ッ探偵さん!!」


次に聞こえてきたのは、アルテの声だった。

必死に顔を上げると、彼女の手が――

まっすぐ、私に向かって伸ばされている。

……でも。


「ッ……」

だめだ…届かない……!


アルテの助けを借りるには、余りにも距離があり過ぎた。

私が、もっと早くツルに掴まっていれば……。

もっと、冷静でいられたなら。

後悔が胸を刺すが、もう、遅い。


「アルテ、危ないから崖から離れて!

下手したら、アルテも落ちちゃう!」


今にも体を投げ出しそうな彼女に、私は必死で制止をかけた。

今のアルテは、風の力が使えないので、風で浮かせてもらう事はできない。

浮遊魔法を使うにも足場が安定していないし……となると、もう自力で何とかするしかないだろう。


「ッ落ちたって構わない……!

死ななければ、問題ないですから!」

「いやいや、この高さ!

普通に死んじゃうって!」

「こんなところで、死んだりしません!」


私は何度も止めたのに……

それでもアルテは私に手を伸ばしてくれる。


「華暖も、シュウやシャムも……貴方も!

もう二度と、失いたくない……」


必死な声。


「だから、喩え貴方が、どれだけ拒んでも……傲慢な考えだと言われても!」


彼女の瞳は、

まっすぐ、迷いがない。


「絶対……絶対に、諦めない……!」


……あぁ、本当に。

この子は、諦めが悪い。

敵ですら救おうとするその在り方は、確かに“傲慢”だ。

それでも――

彼女なら、実現できてしまうのではないかと……。

そう信じたくなってしまうのは……それはきっと。

彼女が、私にとって――”真に英雄”だからだろう。


帝国民が掲げる、都合のいい肩書きの英雄ではない。

彼女自身が抱く強い想いと、嘘偽りのない真っ直ぐな厚意。

……それこそが、

今まで私を、何度も救ってくれたから。


「……傲慢でいいんじゃない?」


私は、アルテと初めて会った頃を思い出しながら、彼女に向かって手を伸ばした。


「……英雄、なんだもん」


あの頃の、私の言葉。


「世界を救うのは、おまけ……。

アルテは……自分の大切なものを、ただ全力で護ればいいんだよ」


かつて、確かに――私が、彼女に掛けた言葉だ。

今になって、それを覆すなんて。

……そんなの、あまりにも身勝手ではないか。


「貴方は……私にとって、大切な人です」


初めて出会った、あの日から。

アルテは、ずっと――私を信じてくれていた。


「アルテ……。

ううん……私の、英雄……!」


なら。

私も、もっと彼女を信じるべきだ。


「お願い。私を……助けて!」

「勿論……!」


思えば。

私の口から、彼女に向けて「助けて」と言ったのは――

これが、初めてかもしれない。

そもそも英雄達は、何も言わなくても助けてくれるから……

機会が無かっただけのかもしれないけど。

……それでも私自身が、帝国の”英雄に対する態度や制度”に嫌悪感を抱いていた事もあり、無意識的に……”英雄達を頼る行為”を避けていたのだ。


アルテは、私の言葉を聞くと、一切の躊躇なく――

崖から、飛び降りた。

同時に、リハイトや永護の叫び声。

クイーンやシャムの声も聞こえたが――

……誰も、今のアルテは止められない。


あぁ、格好悪い。

これじゃあ、アルテに「一人で抱え込むな」なんて……上から目線な事、言えないな。

結局、私も――自分が助けてほしい時、ちゃんと皆に頼れていなかったんだ。

「……。」

私はもう、ただ縋り付くだけの帝国民とは違う。

英雄と肩を並べるほど強くはないが、仲間として、支え合えるくらいには――成長できたはずだ。

だから、これからは。

もっと素直に、助けてもらおう。

そして、その分――必ず、助け返そう。


そう決意して、手に力を込めた、その瞬間。

――バキリ。

掴んでいたツルが、無情にも、ちぎれた。


「ッ……?」


身体が宙に放り出される。

手を伸ばしても掴める物が無いのを悟って、私は咄嗟に目を閉じた。

そしてそのまま落下の衝撃を覚悟したが――

「……ッ」

次の瞬間。

不思議な浮遊感が、私を包んだ。

「……?」

それは、さっきの、不快な感覚とは違う。

まるで――空を、滑っているような。


「……え?」


恐る恐る目を開くと、私を支えていたのは――

アルテだった。

竜化した彼女の羽が、不安定ながらも、確実に落下速度を抑えている。


「……飛んでる?」

「飛べたら良かったのですが……。

今は、下から吹く風を受け止めて落ちないようにするのが、やっとで……」


目を丸くして宙を見渡すと、返ってきたのは申し訳なさそうな声だ。


「着地……できるかな?」

「この勢いなら、落下しても問題は無いのですが……。

此処は、風の流れが強いので……少々、危険ですね」


私が下を見て問い掛けると、アルテも不安そうに辺りを見渡した。

確かに……此処は前に風質浄化の儀を行った崖。

翠山の中でも、風の流れが異常に強い場所だ。

このまま、不安定な状態で留まり続けるのは、危険かもしれない。


「……どうしよう……」


風は、不可視の自然力だ。

予想外の動きをされたら、対処できない。

不安で、身体が強張る。

すると、アルテが――私の手を、ぎゅっと握ってくれた。


「探偵さん、大丈夫です」


その声は、驚くほど穏やかだった。


「だって……この下は、川……。

水の溜まり場です」


彼女は、そう言って。

私を勇気づけるように、笑う。


「ッ……!!」


……そうだ。

その一言で、私は、ようやく”何をすべきか”閃いた。

私は、水の魔法使い。

水の自然力が傍にあるなら――

いつもより、強力な魔法だって使える。


「私は、全力で詠唱の時間を稼ぎます!

……できますよね?」

「うん!できる……!!」


アルテのまっすぐな視線を見つめ返して、私は力強く頷いた。

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