福城関
ナターシャが家に来てから1週間
わずか1週間で、まるで鶏の足のように細かった体は肉がつき健康なボディに
この1週間、妹や隣の家の老婆に、同僚にも助けられ今の俺と彼女は幸せそうだ。
「ナターシャ、いい子にしてるんだよ」
妹よ、頼んだぞ.....
「うん、いってっらしゃい」
ガチャン
「太宗さんが三日間行方不明で今日帰ってきた?、大丈夫かああそうかい、じゃあ7時40分の新幹線に乗るよ。」
東京駅にて
ポツリ口をひらけば志島が出張先に対して文句をまたポツリと垂れていた、
志島は一言ポツンと、二言目もポツンと、またまたポツリ。
「なんで福城関の近くなんだよ〜、どうすんだよ戦争でもしたら、俺死んじまうよー」
「しょうがない、それが俺たちの仕事だ、まあ気持ちはわかる。」
福城関、正式名称「南北共同軍事境界線」、南北日本の事実上の国境であり、分断の地、未だ続く冷戦の最前線。
今日も両軍の兵士が互いを睨み合っている
なぜ福城関って言われてるのは、多分、大日本帝国時代の福島県と茨城県の県境にあるからだろう。
列島分断から41年、何度も小規模ながら衝突が起きている、志島はもしも自分が事件に巻き込まれて死ぬかもしれないことにビビり
出張を嫌がっている。
「同じ日本なのにな...」
俺はボソッとポつり呟いて寝てしまった、子供の世話をして疲れていたんだろう
1時間後
「讃岐起きろーーーーー、ついだぞ、日立に」
「もうついたのか、早いなー」
ホームに降り立つと日立の海が広がっていた
「うおーーー綺麗だなー、おっあの向こうは北日本か?
「・・・」
「そよ風が、渇いた心に沁みるなぁー」とポツリ一言
後ろからポツリ、老人の声が
「お待たせしました、讃岐様、志島様。」
「おっ、これはこれは、太宗夫人... お」
「太宗婆さん!!久しぶりだなー」
志島は敬語ができない
私は志島に耳打ちをポツリ
「志島、もう今から公式な場なんだ、いつもの気分じゃだめだ」
志島はポツリ「太宗夫人」
志島は握手を差し出した
この老婆は日本中央情報局(JCIA)のトップ「太宗政子」
俺たち対北偽造工作課の親組織にあたるとこのお偉いさんだ。
今日、俺と志島は彼女に福城関付近でしか流れない北の暗号放送を解読して欲しいと言われ呼ばれたわけだ。
太宗はポツリ
「じゃあ二人ともお願いします」とラジオと紙とペンが一台だけ置かれたトラックに入れられ
10時間暗号を解いていた
456 120 390 125 .... 淡々と読み上げられていく数字になんの意味もなかった。
志島はポツリ
「今この瞬間俺たちがここにいるのも罠だった!」
「何だと?、それはどういうことだ。」
「意味もない数字だ、暗号表があるにもかかわらずだ」
「新手の暗号とかじゃないのか?」
「そうではない、あの太宗政子は偽物だ」
ついにおかしくなかったのか?
「だから俺は福城関は嫌なんだ!!!!クソおおーーーーーー」
志島はトラックのドアを開けた
だがそこには日立の景色はなかった、道も整備されてないような砂利道
そして奥に見えたのは北の赤い文字で書かれたスローガン
俺たちは北に拉致られたのか!!
飛び降りて急いで南を目指す
運よく北の兵士はお喋り中でバレなかった。
幸いまだ南から300mしか離れていなかった
あのトラックは亀のように、チンタラと動いて俺たちを欺いていた
国境を越えたところ、南日本の兵士に捕まるも事情を話し
IDを見せ、電話で上司と話し、家に帰宅した
志島はバカだが、勘がいいから助かったぜ....。
家に帰ると妹とナターシャがいなかった
リビングのど真ん中に黒ずくめの男がひといポツンとカーテンがヒラヒラと揺れる中でその中でもポツンと直立。
まるで置き物のようだ
彼が振り向いてポツリ
「おっ、失敗か。」
「誰だ、お前」
「自己紹介、してやるよ仙臺直轄市在住、暗號名・赤色槌」
かすかな訛り、だが特徴的なその訛り、聞いたことがあるその訛り。
この男は、北日本人.....!
「お前、北日本人だろ、何しに来た。」
「お前を、捕らえに」
「スパイってわけか、似たもの同士だな。へへへ」
「菜田紫亞はどうした」
「どこにいるんだろうな」
俺はカマをかけ用としたが失敗。
そいつに案内されるがままに赤色槌についていくと
黒いタクシーに、妹とナターシャが座っていた
すると周りに他に3人の男が現れ頭に銃を突きつけられていた
....くそっ、ナターシャが何者かはよくわからないが、こいつはナターシャを回収するために送り込まれた工作員ってわけか!
目隠しをさせられ何分経ったかわからない
工作員たちは電話でやりとりをしていた
「はい、今から高速に乗ります。」
車に乗せられ、国境と向かうため高速に入ろうとした瞬間
運転手の男が死んだ
そこに現れたのは武装した志島と照子とその他諸々だった
照子はポツリ「、、、国境を越える前で良かったわね」
志島もポツリ「讃岐は今日、二回俺に助けられたな、ははは。」
ナターシャと妹は泣きながら保護され
俺と工作員は職場へ連れられた。
連れられる最中、本物の太宗政子はもう死んでいると聞かされた、今日会ったのは、整形と手術によって再現された女だったらしい。
今回のような事が起きてしまった以上、ナターシャと俺は一緒にいられないかもしれない
そう思いながら心の中で別れを告げるも
部長はポツリ一言、ナターシャも職員にする。
部長もついに頭がおかしくなったかと思えば
部長はまたポツリ
「ここの職員として彼女を雇えば簡単には来れないだろう、工作員も、霞ヶ関のど真ん中で目立ちたくはないだろう。なあ。讃岐」
「・・・」
ポツんと口を閉じ、俺は何も言えなかった
「だが今日みたいな事はもう起こすな....ただでさえ俺たちに対する世間の目は冷たいんだ、ちゃんと弁えろ。」
「....はい」
家に帰るとナターシャと妹に謝り寝た。
翌朝、俺はナターシャと妹を志島を連れてヨメダ珈琲に連れてった。
みんなでカツサンド食べて、笑顔が溢れた。
志島には昼飯も奢らないとな、、
この世界の日立市はでかいので福島との県境まである




