ep.1 ログイン
2025/02/23 若干修正しました。
今から約10年前、米軍は軍事訓練用のVRシステムの特許をあるゲーム会社へ売却した。
それから1年後、そのゲーム会社はヘルメット型の最新VRゲームハード『リアルフィーリングギア』、通称『リフギア』を発売すると同時に、VRゲームの新たな開発方式を発表した。その衝撃的な技術革新により、数多くのVRゲームが次々と登場し、VRゲーム開発の技術は飛躍的に向上していった。
そして1か月前、VRゲーム開発会社「ネックス」は『The Woken Era』、通称『TWE』の開発成功を発表し、β版のプレイヤーを1000人募集した。β版をプレイした者たちは皆、口を揃えて「これまでのVRゲームとは次元が違う」と称賛し、その完成度に驚嘆した。
それほど圧倒的なゲームだったのだ。
俺、斧原陽翔はその情報を聞き、一般リリースの日を心待ちにしていた。
そして今日。2040年4月10日、時刻は11時55分――ついにTWEの一般リリースの5分前に迫った。
俺は自室で、ゲーマーの妹・斧原 桜と、同じ高校の友人・高原 海里と通話を繋ぎながら、期待に胸を膨らませていた。
俺がTWEを始める理由はシンプルだ。桜と海里、二人の誘いに乗っただけ。どうせやるなら、3人で一緒に楽しもうという話になったのだ。
「桜は素早さ重視の近距離アタッカーにするつもりなんだっけ?」
「そうだよ兄さん! できれば刀みたいな武器を使って、バッサバッサ敵を切り倒してやりたい!」
「海里は何を使うんだっけ?」
「俺は回復もできるタンクがいいから、盾と杖の組み合わせかな。で、陽翔はどうするんだ?」
「俺はゲームとかあまりやらないから詳しくないけど、一撃の火力が高そうな斧とかハンマーとか、そういうのを試してみたいかな」
そんな風に、これからの遊び方をあれこれ話しているうちに、あっという間に0時0分。ついにリリースの時間だ。
「じゃあ、キャラクリが終わったら、初期スポーン地点から動かずに3人揃うまで待とうぜ」
「それがいいね」
「そうしましょう」
海里の提案に、俺と桜も同意する。
リフギアを頭に装着し、起動ボタンを押す。その瞬間、現実から意識が引き離されるような感覚に包まれた。しばらくして、目の前に白い光が広がり、画面中央に『The Woken Eraへようこそ』という文字が浮かび上がった。
小説なんて人生で書いたことがないため自分の今の文章が良いのか悪いのかすらわかりません。
誤字や脱字などもあると思いますので感想、誤字報告いただけると助かります。