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メメント・モリ
手のひらの汗を
じっとりと感じながら。
唇の皮がざらついても
飲みたいものがもうないのです。
どうしてもどうしても
祈っても
拝んでも
洗っても
怒っても
悟っても
なんて運命だと思う
なんて宿命かと思う
産まれた瞬間与えられる余命
その操作の権限は
ほんとうは与えられてないのね
でもその力は持っているでしょ?
訂正できるのは過程のみ
訂正なんてしなくてよいのに
訂正しない罪悪感が
わたしをハンドルへ導く
等しくちゃんと
来るから、来るまで
その日まで
この広いステージ
死角なんて山ほど
立ち位置なんて決められてない
どうぞ死角へ
ようこそ死角