短い怖い?話
「ここ何かいるよね?」
いきなり妻が言い出した。
は?何言ってんのこいつ?
「今更?」
「それっているってことじゃん!」
「っていうかもう住んで2~3年経ってるんだが?どうしていきなり言い始めた?」
妻曰く最近なにか物音が多くなってきたとのこと。
「・・・それってお隣さんが入ったからじゃない?」
「でも今あんたはいるって言ったよね?」
「いや?今更?って聞いただけなんだが?」
「それっているって肯定してるよね?」
「いやいや、してないよ?」
「居るよね?」
「・・・・・・もう一度言う。今更?」
「居るじゃん!!!」
妻は怖がり。
その癖にいるかどうか常に聞いてくる。
言わせてもらえばいるかいないかで言ったら、いないところの方が珍しいくらいなのに。
そんなに気になるなら寺か神社に行ったら?
「だって子供が言ってるじゃん?常に怖いところ。」
「・・・え?」
「トイレと風呂。」
「・・・」
「それもいるときといない時で怖いって。」
「何で言ってくれなかったの!?」
「言っても無駄だから。」
「・・・・・どんなのがいるの?」
「基本的に玄関から大部屋のドアまでうろついている奇麗な女性の・・・」
「髪が長い?」
「さあ?オカマだし?ウィッグじゃない?」
「・・・・・・オカマ?っていうかウィッグ?幽霊なのに?」
「知らん。よ~く見たらオカマだった。」
「よ~く見たの?」
「めっちゃ見られたから。」
メンチを切り合いました♪
今の子には解からないね♪
「・・・・・・あんたのせいじゃないの?」
「出た!すぐそうやって何でもかんでも人のせいにする!何かあると俺のせい!車の前に人が飛び出て来ても俺のせい!自転車が三車線で往路に飛び出て来ても俺のせい!そんなわけないじゃん!!!やってるやつが悪いに決まってるじゃん!!!俺のせいじゃないじゃん!!!」
「でもこの前寂れたお堂に行ってお参りしてきて・・・」
「それはスマン!!!まさか神様じゃないやつがそれでついてくるとは・・・。昔のことはいいじゃん!未来に生きていこうぜ!!!過去は振り返るためにあるんじゃない!今の自分を作るために存在するものなんだ!」
「少しは反省して!」
「反省はする!後悔はしない!それが俺の矜持だ!!!」
「捨てろ!そんな矜持!」
いちいち過去を持ち出して攻めてくるお前が悪いんじゃない?
「で?急にどうしたの?」
「子供が気持ち悪いって・・・」
「ただの風邪じゃない?」
「でも熱もないし・・・」
「ただの風邪じゃない?」
「先生にも霊障じゃないかって相談して・・・」
「おいやめろ。馬鹿か?普通そういう風に相談するか?っていうか相談された先生めっちゃ引いてるだろそれ。」
「新田さんもそんな冗談言うんだって返されて・・・」
「お前どんだけ外面いいの?よくそれで済んだね?」
「絶対霊のせいでしょ?」
「んなわけあるか!」
コイツぶっ飛んでやがる!
普通、学校の先生にそんなこと言う?
「最近変わったことは?」
「どういうこと?」
「・・・察しが悪いな。端的に言うとなんか食べ始めたor飲み始めた?」
「・・・特に。しいて言えば薬を飲み始めたよ。」
「・・・それ見せて?」
コイツそこをまず疑えよ!
なんなん?
「・・・やっぱり。この薬の副作用であるじゃん!」
基本、薬の副作用で必ずあるのが、気分が悪くなる、嘔吐する、胃腸の動きが鈍くなる。
まあ、薬と言っても結局は異物だからね。
薬って言ってもこの副作用必ずあるからね?
「でも先生はそんなこと言って無かったし。」
「言わなかっただけでは?」
「専門の医者だよ?」
「専門でも人間。間違うこともある。」
「何を信じればいいの?」
「自分の知識を信じろ。俺と同じだけ勉強してきたんだから。」
こういう時は自分に自信もって?
結果的には薬止めたら無くなった。
何でも霊のせいにするって頭のネジどっか行ってんじゃない?
その後、子供と妻がいないときにメッチャうるさかった。
何がとは言わないが・・・俺寝たいんですけど。