町中に見える数字
目の前の風景に、いつもと違う明確なものが映る。
「なあ、頭の上に数字が見える、マンガだったか、あったよな?」
数歩先に進んだ知人が、立ち止まった僕の方を振り返る。
「あったね。web系?の漫画だっけ。その人の、何かの回数が表示されるんだよね?」
自身の頭の上の、空を撫でるように手を動かしながら、僕の視線の先がそちらでないことに気づく。
「...幽霊じゃないよね。で、数字が見えてるの?本当に?」
たしかに数字が見えている。道路の、丁度T字路になっている場所だ。
「そこの先、T字路のところ。"3"。」
指を指しながら、他にもないか、周囲を見渡す。今見える範囲の近くにはなさそうだ。もう一度"3"があることを確かめてから知人をチラリと見る。先程の発言を聞いて、それを冗談だと言わず、真面目に受け取ってくれるのがこいつらしい。
「3...、T字路、車通りは少ないがないことはない。見渡しにくさ、自転車ならそのまま?ケガ、最近?高齢者...ああ、うん。」
どうやらわかったようだ。隣で聞いていた僕も、最後の発言で数字の意味がわかった。
「ある意味、幽霊の数字、になるのか?」
「少ないところもだけど、数字の多いところは特に気を付けて帰ろう。事故怖いし、まだ生きていたいからね。」




