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北の魔女  作者: 覧都
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第九十三話 駄目だー、次回へ続く

「ところで、全てを捨ててまで、国王に諫言した人物が、わたし達に相談とは何でしょうか?」


改めて、メイさんがイホウギさんに質問する。


「万が一トラン国が、イナ国を攻めたとき」

「伍イ団には中立でいてもらいたい」

「わしは、ハイ殿とクロ殿のすさまじさを、一緒に戦って、知っている」

「イナ軍側に伍イ団が加担すれば、トラン軍が全滅するおそれが有る」

「トラン国の将軍達は、その事を理解しておらん」


イホウギさんは悔しそうにドンと机を叩いた。


「しかも、イナ国には、まじない組という強力な戦力があると聞く」

「あい殿の力をもつ三百人の精鋭であると聞いておる」

「今は、戦争などせず平和でいれば良いのだ」

「もし、攻められた時は、命をかけて戦うが、自ら戦争を起こすべきでは無いとわしは考えている」


「大将軍がそんなことを言えば、臆病者と言われるでしょう」


「なんと言われても大丈夫じゃ、わしは、弟子から学んだ」

「人の命は大切にせねばならんとな」


それを、聞くとメイさんは押し黙った。

しばらくの沈黙の後、口を開いた。


「結局、トラン国兵を守る為、伍イ団の所へ来たというわけですね」

「でも、戦が始まったら、イホウギ大将軍のいない南トラン国兵は大勢死にますよ」


「伍イ団無しでもと言われるか」

「……まじない組はそんなに強いのか」


メイさんはそれには答えず、こくりとうなずいた。


「トランの国王は、どうしてそんなに戦争が好きなのでしょう」

「私の国は、いつも魔人に攻められて、戦争なんて一秒だってしたくないのに」

「もう少し私に力があれば、トランの国王ともお話できましたでしょうに」


ノルちゃんは悲痛な表情でうつむいた。


わたしは、この世界の戦争については、無知だ。

戦争なんて見たことが無い、平和な日本人だ。

ただ、国と国の仲が良かったり、悪かったりするのはよく知っている。

まあ、わたしが、考えてもしょうがないわね。


「まなちゃんはどう思う?」


なー、わたしに振ってきちゃったよー。

ノルちゃんと、メイさんが声をそろえてー。

しかし、わたしに聞くかねー。

あー、この二人北の魔女に聞いているんだ。


「ちょっと、まって下さい」

「考えを、まとめてみます」


くーー、なにかまともなことを言わなくちゃー。

わたしは、日本人だ。昔、日本は戦争をしていたのは、知っている。

第二次世界大戦、大敗して悲惨なことになったって学んだわ。

他国を攻める国は、駄目よね。単純に……。


でも、昔の日本も戦国時代という時期があって、戦争を沢山していたわね。

そんな中で、日本から戦争をなくす為、鉄砲という、最新の武器をうまく使って尾張の武将が日本をまとめたんだっけ。

戦争を駄目だと、否定をするだけでいいのかどうか。


わたしがごちゃごちゃ考えていると、皆が固唾をのんで見守っています。

あまり真剣に見られても、かえって考えがまとまりません。

ここは一つ


「少しお腹が空きましたね」


当然魔女のわたしは減っていません。

でも、先生や、委員長さんは少なくとも減っていると思います。

わたしは、全員の前にお皿に乗った照り焼きバーガーを想像して、当然照り焼きのタレは、少し甘め、マヨネーズは増量、飲み物はカフェオレ、こっちも甘め、そして、お口直しにお水をコップに注いだ者を想像します。


指パッチンをします。わたしは残念ながら、パチンとなりません。

でも、ポーズは決まります。と、思います。

全員の前に一瞬で照り焼きバーガーとカフェオレ、水が出現しました。

すごく、魔女を実感する瞬間です。


「ひっ」


先生と、委員長が悲鳴をあげました。

目がまん丸です。

そんなに驚かなくても。


わたしが手で取り、可愛いアドちゃんのマークの入った包装紙を少し開けて、そのままかぶりつきます。

うん、おいしい、アドバーガーとでも名付けましょうか。

こうやって食べ方を示して。


「どうぞ、皆さん、アドバーガー、照り焼き味を召し上がれ」


「いただきまーす」


だれも号令を掛けていないのに、こういう時は皆、声がそろいますね。

先生と、委員長さんの目がさらに開いています。

それ以上開くと落ちてしまいますよ。

落とすのは、ほっぺにしておいてくださいね。


さて、わたしは考えの続きをしましょうか。


「おかわりーー」


「はえーーってーのー!」


面倒なので、大皿に大量の照り焼きバーガーをだして、自由に取れるように用意した。

ついでに、空のコップを用意して、コーラ、サイダー、カフェオレをペットボトルで、大量に用意した。

続いて、大皿に野菜をたっぷり挟んだバーガーと、ハンバーグを二枚、チーズを三枚の、ダブルトリプルチーズバーガーを、可愛いアドちゃんのマークの入った包装紙で包んで、食べ切れんだろうというくらい出しました。


んっ、気が付くとクロちゃん本体とクーちゃんが端っこの席にちょこんと座って食べ出しました。

うん、良い顔をして食べてくれています。

二人には、皆お世話になっています。

わたしは、心から感謝していますよ。

って、野菜を抜くなーー野菜をー。

野菜を、食べる為のバーガーだぞー、それー。


ギホウイさんは、一口かよー。

王様と、お姫様が、口の回りがベチョ、ベチョですよ。

照り焼きが一番おいしいって、わたしもそう思います。

でもね、おいしい理由はハンバーグにあるんですよ、これ、防家のハンバーグですから。


さて、考えをまとめましょう。

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