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北の魔女  作者: 覧都
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第八十九話 まなの休日

わたしは今、ハンバーグを作っています。

魔法で、ではない。

この世界の豚肉と牛肉と鶏肉を使って。


ここの調理室には大きめの窓があり、外の光が沢山入り明るい。

その窓から、キャッキャッはしゃぐ声が聞こえます。

特に、キキちゃんとミミちゃんが弾けています。


ここは、ミッド商会のコウさんの超大きいお屋敷です。

コウさんとはミッド商会の一番偉い人です。

顔が特徴的で、極悪人顔に無数の傷痕があり超怖いです。

本当に怖いです。大事なことなので二度いいました。

さらに、体もでかいです。百八十センチは越えていると思います。

絶対、女の人にもてないと思います。


「やあ、悪かったね折角の休日に」


コウさんが思いっきり、笑顔で話しかけてきます。

話し方も、丁寧。

な、なんだ、この感じ。

ズキューンって来た。


そうか、これは吊り橋効果だ。

怖いところで、一緒にいて、安心させる。

吊り橋効果だ。やばい、やばい、やられる所だった。

この男、一人吊り橋野郎だ。

気を付けないと。


おろし金でタマネギを、すりおろして-っと。


「まなちゃん、それもまなちゃんが考えたのですか」


後ろでノルちゃんが聞いてきます。

このやり方は、わたしではなくお父さんがやっていたやり方で、その父はわたしが六歳の時出ていった。

今は生きているのか、死んでいるのかも分からない。

音信不通だ。


「ちがいます、父から教えてもらいました」


「そうですか、調理方法もそうですが、道具もすごいですね」


「このおろし金ですか?」


わたしは、人参をすりおろし、干し椎茸をすり下ろしながら、後ろを振り返った。

そこでは、コウさんと、メイさんと、マリアちゃんと、ノルちゃんでおろし金を、どこが売り出すかでもめていた。

この世界には、すりおろして調理する方法が、そもそもないのだ。


「つ、次に移って大丈夫ですか」


「あー、すみません、どうぞ」


「すりおろした野菜に、玉子と、ソース、醤油、味噌、お酒、粉だし、昆布茶を少々、それに片栗粉を加えます」

「さらにナツメグを大量に投入し、良くかき混ぜ、味噌などの溶け残りが無いようにします」


後ろで、ソースなど調味料をどこが売り出すのかもめだした。


「お肉は、豚が八割、牛が一割、鶏が一割です」

「これを、先程の野菜とまぜて良くこねます」

「よくこねたら、大きさを整えて」

「こうして、パチパチして空気を抜いて、真ん中を少しへこませます」


わたしは、大きさを整えて、手のひらに油を付け、ハンバーグを左右に飛ばして、手のひらに当てて空気を抜いた。

その後で親指で真ん中をほんの少しへこました。


「こうしないと、残った空気で膨らんで割れてしまいます」

「そして、このあとは、おいしく焼き上げます、最初は強火で表面を焼き、その後は、蓋をして焦げないように弱火でじっくりと中まで焼き上げます」

「最初は、ケチャップで食べましょう」


焼き上がったハンバーグを四つの皿に乗せ、四人の前に出した。


「うまーい」

「おかわりー」


はやいってーの!


「次は、特製ソースを作ります、フライパンの油に、ソースと醤油、お酒、ケチャップ、砂糖、砂糖は少し多いめに」


ハンバーグを焼き、特性ソースをかけて四人にだした。


「はい、どうぞ」


「うむ、うまい」


「魔法でしか出来ないのかと思ったけど、これなら家の料理人達でも作れそうね」

「まあ、調味料は、まなちゃん頼みですけどね」


ノルちゃんと、マリアちゃんが話し合う。


「しかし、コウさんが、こうまでお金に関心が出るとは思わなかったよ」


メイさんがコウさんに嫌な視線を送る。


「ああ、お金持ちから、金を巻き上げて、家のメイドみたいな、不幸な子供を減らしたいと思うからね」


コウさんが、釈明すると、メイさんの目が優しくなった。


「す、すばらしいです」


マリアちゃんが立ち上がった。


んー、マリアちゃんの目が心なしかハートに見える。

マ、マリアちゃんあなた吊り橋効果にやられていますよ。

ほんとに、ただの吊り橋効果ですからね、それ。


「子供達を呼んでも、よろしいですか」

「そろそろ、昼食の時間です、腹を空かせていると思いますから」


コウさんが子供達の心配をする。

な、なんだこの人、この顔で子供達の心配をするだとー。

あーだめだ、マリアさんがズキューンってなっているわ。


わたし達は、食堂に移り、料理を用意して、子供達を待った。

もちろん料理はわたしが魔法でチョチョイのぱっぱで出しました。

この瞬間わたしは、魔女を実感する。

と、いってもこれしか魔法が使えないのですが。


ノルちゃんのメイドさんが、子供達を連れて入ってきました。

キキちゃんと、ミミちゃん、ルシャちゃん、そしてコウさんのところのメイド服の六人が順番に入って来た。

楽しく遊べたのか、キキちゃんの鼻息がすこく荒い。


全員がテーブルにつくと、わたしは驚いた。

女ばかりである。

男は、コウさん一人。


な、なんなんだーこの状況。

説明するなら、三十五歳ヒキニート、トラックに引かれ、異世界転生したら、極悪顔の男のハーレムの中の一人の女でした的な、感じですかー。


んー、なんかコウさん所のかわいいメイドさんがコウさんの隣を奪い合っています。

マリアちゃんに続いて、あんたらもかーい。

一番小さい子が、コウさんの膝の上にちゃっかり座っています。

しかも、赤い顔をしてもじもじしています。


ここは、まじハーレムかよー。

コウさん、もてすぎだろー。






昼食が終わると、わたしは、調味料各種と、おろし金を大量に魔法で出して、クロさんに消去してもらった。

この後、ヤパの国、オリの国、ミッド商会から売り出されるそうだ。


わたしは、コウさんのミッド商会と、月給金貨五枚で契約した。

毎月、ミッド商会から金貨五枚貰える事になったのだ。

金貨は、一枚、十万円相当だと、わたしはにらんでいる。

ということは月給五十万円の女子高生なのだ。

こんなに稼いでいる女子高生は、わたし位でしょう。

有頂天になった。


こうしている間も、うちの子供達はコウさん所の小さなメイドさん達とキャッキャ言って遊んでいます。

良く見ると、子供姿の、クロさんと、うちのクーちゃんまで混ざっています。


時々、キキちゃんがメイさんの所へ来て、じっと見つめています。

きっと、一緒に遊ぼっと、思っているのでしょうね。

メイさんは、見た目は子供ですが、本当は大人のようです。

だから、子供に混じっては、遊びませんよ。


仕方が無いのでわたしが、少し大きめの、ブランコを出して上げました。


「いい子で順番に遊ぶのですよ」


そう声を掛けてコウさんの屋敷の庭を見渡しました。

庭がとてつもなくでかい。

お屋敷もすごくでかい。

お金持ちの凄さを感じました。


視線を、ブランコに戻して目を疑った。

凝視していると、


「いやー、ブランコは楽しいなー」


メイさんが楽しそうに声を掛けてきた。

メイさんが一番、ブランコを楽しんでいました。


六人のコウさんのメイドさん、家のキキちゃん、ミミちゃん、ルシャちゃん、そして、クロちゃん、クーちゃん、メイさんが、楽しそうに遊んでいると、ここが幼稚園のように見えました。


でも、本当は、極悪人コウのハーレムでした。


「まなさん」


「うおっ」


バカな妄想していたら後ろからコウさんが声を掛けてきた。


「今日は本当にありがとうございました」


コウさんが深々と頭を下げてきた。


「あ、いいえ、こちらこそお世話になりました」


そーいうとこだぞー、コウさん。

その極悪人顔で、丁寧にされたら、ギャップでズキューンって成るんだぞー。


わたしは、ここを、コウ幼稚園ではなく、コウハーレムと呼ぶことにした。

とうとう、二十万字達成。


次は、三十万字目指します。


などと、いいましたが、言い過ぎました。


次は、百話を目指します。


訂正させてください。


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