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北の魔女  作者: 覧都
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新しい仲間

森から三人の魔人が来た。

赤い魔人と青い魔人と灰色の魔人だった。


「あい殿というのはあなたですか」


全身灰色の優しそうな美人の魔人があいに質問してきた。


「はい、わたしです」


「私の名前はハイと申します」


「え、なんて」

あいは、灰色だから今度はモモとか言うのかと思っていたので、なんと言ったか聞き逃してしまった。


「ハイと申します」


「あー分りました」


「武器を使ってもらってもよいのですが」


丁寧にハイが言う。


「いりません、わたしは素手の方が戦いやすいです」


「そうですか」


「では、攻撃してもよろしいですか」


今度はあいが丁寧に攻撃の意思を伝えた。


「どうぞ」


あいが踏み込み腹に攻撃をする。

アオとアカはこれで終わりだった。

ハイは、斜め前に進み攻撃を避けると同時に、あいの後ろを取ろうとした。

今度はあいがもう一歩前に踏み込みそれをかわし、今度は、あいがハイの後ろを取ろうとした。

ハイはそれを読みそこに攻撃を入れてきた。

あいはこの攻撃に手のひらをあわせた、ハイの体に強力な回転の力が加わる。

ガス、ガス、ガス、三度回転し地面に頭を打ち付けた。

首の骨が砕け、頭が変な方向に曲がっている。


アオとアカが駆け寄った。

普通なら即死だった。


「ハイさま―」


二人の魔人が泣いている


「治癒」


「ぶはーー」

「あぶねーやられるとこだった」


ハイが復活した。


「ハイ様、三人で戦いましょう」


「ばかな、人間じゃあるまいし、そんなまねが出来るかー」


「でも、今、ハイ様は負けていました」


アオが言う。


「な、なにー」


ハイはアカの顔を見た。


「負けていました」


今度はアカが答えた。


「ふん、単純な武力は負けたかもしれん」

「だが魔人は魔法を使ってこそ魔人なのだ」

「魔法で戦うぞ」


「あーわたしは訳があって攻撃魔法は使えません」


「はあーーはっは、人には得意不得意があるのだ」

「悪く思うな」


「雷撃」


あたりを稲妻が覆い尽くす。


あいの防御壁が雷撃から人間を護る。

あい自身は雷撃でダメージは受けない。


ズグドパッアーアーン

あいが腹に攻撃する、ハイは魔法を使っていたため避けられなかった。

ごええーーげぶうーーごおおおーー、ぶううーー

ハイが口から内臓を吐き出す。


「治癒」


「ぐあああーーなん、なんだ、すげーいてーし苦しい」


「なあ、アオ、わたしもあれだったのか」


ハイのはらわたを見て、アカがアオに聞く、こくこくアオはうなずく。


「最低だな」


こくこくアオはうなずく。


ハイはあいの前に跪いた。


「正直驚きました、我らではかないません」

「我らのあるじの所へ一緒に来ていただけませんか」


「それは魔王様ですか」

「いいえ、我らのあるじは魔王軍最高幹部の一人シロともうします」



「わかりました、案内してください」


「クロ、我らをシロ様の下へ」


「移動」




何者かの移動魔法で石造りの広い部屋に移動した。

一段高いところに一人の黒い魔人が座っていた。

目の下に黒いクマがあり肌も浅黒い、着ている服も真っ黒である。


「わたしがシロだ」


「え、なんて」


あいはくろっていうものだと思っていたので、なんと言ったのかよくわからなかった。


「わたしはシロだ」


「あの魔人って皆、こんなややこしいのですか」

「痛!」

「なんか虫に刺された」


あいは虫に刺されたようで、首をポリポリ掻いている。


「あーはっは、はあーはっは」

「ひーひっひっ」


笑いながらシロは椅子から転げ落ちた。

転げ落ちたシロは全身に力が入らない様子でそのまま起き上がれなかった。


ハイが駆け寄り


「回復」


回復の魔法をかけた。


ハイの回復でかろうじて動ける様になったシロは、あいの前に歩き出した。


あいの前で真面目な顔になり土下座し頭を床に付けた。


「わたしをあい様の配下にお加えください、絶対の忠誠を誓います」


「えーー、なんでそうなるのか分りません」

「だいたい、あなたは魔王軍最高幹部なのでしょ、魔王を裏切っていいの」


「まずその件についてお答えします」

「わたしはそもそも魔王に会ったこともありません」

「わたしが主と認め忠誠を誓った方はあい様が初めてです」

「最高幹部についても勝手に任命されただけで、わたしは受けたつもりもありません」


「それについては理解しました」

「何故わたしなのですか」


「はい、わたしの魔法は死の魔法です」

「わたしの魔力より少ない魔力の者には死を与える事が出来ます」

「わたしより魔力が多くても、魔力差が大きくなければ大きな損傷を与えます、今わたしは、全魔力であい様に魔法を使いました」

「それがどうでしょう虫刺されと言われました」

「わたしの全力魔法を虫刺され程度と」

「あーははは、こ、こんな笑ったのははじめてです」

「あい様は、殺す気ならわたしをいつでも殺せるはずです」

「魔人は主を自分で決めます、決めた主は絶対裏切りません」

「わたしの主はあい様しかありえません」


「わかりました」

「あ、わかりましたというのはシロさんの言っていることがわかったということです」


いっしゅん認めて貰えたと嬉しそうにした、シロに釘を刺す。


「わたしは貧民です、人間の中の最下層のものです」

「……」

「無駄ですね、シロさん私でよろしいのですね」


なんとか、断ろうとしたあいだったが、シロの後ろで必死に頭を床にこすりつけている、アオ、アカ、ハイ、の姿を見て、一緒にこの魔人と生きてみたいと思った。


「はい、あい様にお仕えしたいと思っています」


「わかりました」


「ありがとうございます、あい様」


こうして、あいは魔人を配下に加えた。


シロは魔王軍の最高幹部、第四席

ハイも魔王軍の最高幹部、第十席

アオ、アカも魔王軍の幹部ということだった。


この他に二人仲間の魔人がいるそうだが、いまは、魔王軍の指揮を執るため留守番をしているそうだ。


「じゃあ、みんな、私の仲間に紹介したいから戻りましょう」


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