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北の魔女  作者: 覧都
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第百五十八話 サエの疑問

まなは、兵士や衛兵、お城に訪れていた人々にペコペコしながら、恥ずかしそうにして帰って行った。

だれもがさっき門を壊した者と同一人物とは思わなかった。

城内で兵士達はまだ食事に夢中で、まなが帰った事に気づいていない者の方が多かった。


ゴランとウカクは気が付いていたが、自分たちではどうしようも無いことがわかっているので、放置するつもりだ。

責任はいつも余裕で、えらそうにしている、そこでのびているケーシーに取って貰うつもりなのだ。


「あのー、メイちゃん、2つ質問があるのですが……」


「なにサエおねーちゃん」


メイはこの妹設定が気に入っているのか、サエをずっとおねーちゃんと呼んでいる。


「一つ目は、この国の人を助けるのなら、ゴルドとケーシーを殺せば終るのじゃ無いかという疑問です」


「あー、暗殺ですか。それはだめです、正義を唱えようとするならやってはいけません。人心が離れます」


「そんなの、だってゴルドはやりましたよ」


「ふふふ、だからゴルドは悪名を高めました。まなちゃんにそんな汚名を着せますか」


「そうですね」


「まなちゃんには、正々堂々ゴルドを倒して貰いたい」


「そうですね!!」


サエの顔がパッと明るくなった。


「で、もう一つの質問は?」


「はい、クーちゃんの件です。あれってまなちゃん、計算づくだったのでしょうか」


クーカイが忍者服に着替えていたのだが、聞こえていたのか動きがピッタっと止まった。


「さーねー、でも計算通りかもね」


「どうしてですか」


「ふふふ、忍者服を最初から用意してあっただろー、どうしてもクーちゃんに残って欲しかったんだと思うよ」


クーカイはぷくーと頬をふくらましていたが、まなが最初からハイではなく、自分を信頼していたことがわかりうれしかった。




「ぶはーーーっ」


ケーシーは意識を取り戻した。


「なんだったんだ今のは」


ゴランとウカクと目が合った。

目が合ったゴランとウカクは、手にうな重をもってもりもり食べている最中だった。


「きさまら、賊が入ったのにのんびり何を食っているのだ」


ケーシーは二人の所へ歩いて行く。

そして、サエとメイの他にもう一人可愛い忍者がいることに気が付く。


「メイ、そいつは何者だ」


「この子はクーちゃん、私の護衛として雇いました。問題ありますか」


「いや無い、それよりも先程の侵入者は何者だ」


「あれは、まなちゃん、ゴルド国が戦おうとしている相手ですよ」


「二人がかりとはいえ、この俺を倒すとは、侮れない存在ということか」


「そうですね」


メイは、あれを見てもまだ自分の方が上とみる、ケーシーの判断力に物足りなさを感じていた。

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