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北の魔女  作者: 覧都
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第百五十五話 大暴れ

サエはメイの手を握った。

可愛い幼女忍者と美人忍者がひっついてブルブル震えていた。


「みんなー、殺しちゃだめだからねー」


その言葉を聞くと、キキがまなの手から離れ兵達の中に入って行った。

クーカイとキキは暴れまくっていた。

二人の顔には狂気の笑いがあり、強さも異常だった。

兵士達は恐怖で逃げ回った。

まるでサメに襲われる、鰯の群れのようだった。


クロは戦力適に劣るので、まなのそばにずっと付いていた。

キキとクーカイには歯が立たないと感じた兵士の中で、まなの存在に気が付いた者がいた。


「あそこだー、あの二人を殺せーー」


「きひひーーー」


クロが響き渡る笑いを出した。

まなを殺そうとする者は殺してもいい、まなが言った言葉である。


「やめろー、その方に手を出すなーー」


メイがとっさに叫んだ。

だが、時既に遅しであった。

一歩でもまなに近づいた者は全員クロによって命を落としていた。


「しずまれーー、しずまれーー」


騒ぎを聞きつけケーシーが現れたのだ。

兵士達は動きを止めた。


だが、止まらない者が二人いた。

クーカイとキキだった。

二人は声をあげた者が一番の強者と認め襲いかかった。


「がふっ」


その体が、木切れのように飛んでいった。


「もういいでしょう、キキちゃん、クーちゃん、戻りなさい」


二人が戻ると、まなから怒りが消えていた。

メイとサエの姿に気が付いていたのだ。


「メイさーーん、サエちゃーーん」


まなは笑顔で手を振った。

キキは、メイの姿を見つけると笑顔になり、尻尾をブンブン振る犬のように走り寄った。

メイは、走り寄るキキの頭をムツゴロウさんのように撫でた。


「おーー、よしよし」


たったそれだけのことだったが、兵士達から割れんばかりの歓声があがった。

まなが通常運転になったのを確認すると、サエの震えも止まっていた。


「メ、メイさん、まなちゃんってこんなに恐い人だったのですね」


「私も初めて知ったよ、長く生きてきたが、最高の恐怖だった」


まなが、メイとサエの所へ、トコトコ歩いてきた。


「なにか、痛いこととか、嫌なこととかされませんでしたか」


まなが優しげな笑顔で二人に質問する。


「ふふふ、それが不思議とよくして貰っている」


「意外ですね。これをお二人に作ってきました」


まなはメイに専用武器の杖を二本持ち差し出した。


「この杖は今後このような事が無いように、サエちゃんのは大幅に性能を上昇させました。メイさんのは五倍にしました。サエちゃんはあとで部屋に戻ってからメイさんから貰ってください」


メイは嬉しそうに受け取り、まなから貰った専用ホルダーの中の杖と入れ替えた。

サエは、この杖を持った瞬間に魔女になることがわかり嬉しかった。


「まなちゃん、頼みがあるのだけど」


メイがばつが悪そうに頼み事をしてきた。

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