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北の魔女  作者: 覧都
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第百五十話 まなの涙

メイとサエが座ると、追い立てるように。


「では、ゴラン将軍、ウカク将軍」

「私はこのあと、メイ殿とサエ殿と話しが」

「ありますので……」


ゴランは二人の忍者姿が気に入ったらしく二度見、三度見して出て行った。

ケーシーが手をあげるとケーシーの配下が、資料を持ってくる。


「こ、これは」


メイが驚くと、ケーシーは笑っている。

ゴルド国の軍の極秘資料だった。


「これを見せたのは」

「二人に軍の増員と再編を頼みたいのだ」

「ふふふ、この国をまとめる為」

「随分殺してしまったからな」

「これがこの国の戸籍だ」

「無理矢理招集して貰って」

「構わん」


メイが険しい表情になった。

ケーシーはその表情を見ると満足そうな顔をして話しを続けた。


「この部屋は二人が好きに使って貰って構わん」

「この城の中も自由に移動しても構わん」

「そんな変な服を着なくてもいいぞ」

「だが、城から出ることは許さん」

「国王の部屋に入ることも許さん」

「もし、守らないときは、人質を殺す」


ケーシーは軽い冗談を言うような笑顔でメイを見た。

サエはその笑顔が恐くて震えていた。


「では、俺は行く」

「今日は休んで」

「明日からで良いぞ」

「頼んだぞ、成果を期待している」


ケーシーが出て行くと、サエはメイに涙声で話しかけた。


「あの人、恐すぎます」

「見た目が恐い、ゴランさんが可愛く見えます」


「ふふふ」


メイは軽く笑い飛ばした。

そして、こそこそ忍者服で忍び込もうとしていた事が、バレていたことに怒っていた。


「あったま来たから」

「明日からずっとこの服でいてやる」

「まあ、今日は休もう」

「疲れた」


「はい」


サエは、今日一日緊張しまくりで、心底疲れていた。






「国王、また、つかまえたぜ」

「狙われすぎじゃねえのか」


オリ国で警備を担当している魔人ゲダが、マリアに報告をしてきた。


「生きているのですか」


「もう死んだぜ」

「ただ、組織名はわかった」

「ヨミだ」


「そうですか、ありがとうございます」

「一国の国王まで暗殺しようとは」

「おもい上がっていますね」

「くすくす」

「まなちゃんに相談しちゃいましょう」


この殺人集団と、メイとサエの行方がわからなくなった事が議題となり、まな会がオリ国で開催されることとなった。

開催場所はオリ国の宮殿三階。

マリアは宮殿の三階をこのため作ったのである。

今日が初回のまな会でマリアはうきうきしていた。


ホストのマリアは一番に会場入りして、まなの来るのを今や遅しと待っている。


「こんにちはマリアちゃん」


「ようこそまなちゃん」


「この部屋はこのために」

「用意されているのですね」


「そうですよ、大勢入れます」


「じゃあ、私は料理を用意します」


まなは会場に料理の準備をはじめた。

今日はキキとパイと先生の三人だけでサエの姿が無かった。

それだけで、心に大きな穴が開いているようでさみしかった。

そして大きく後悔していた。

自分も行けば良かったと。


キキとパイは二十四時間いつもまなと一緒に生活している。

先生は、学校がある為日中は一緒にいない。

だからキキとパイはずっと塞ぎ込むまなを見続けている。

二人の心も重く暗くなっていた。


「さあ、頑張って準備しましょう」

「折角、最初のお食事会です」

「明るく、楽しく、頑張りましょう」


無理して元気を出すまなの顔は作り笑顔で、とってもいい笑顔だった。

でも、両目からとうとう涙があふれだしてしまった。


「サエちゃんおいしいもの」

「食べられているかなー」


いま、一緒にいる三人はこんなに、心配して貰えるサエが羨ましかった。

百五十話まで終りました。

朝からずっと書いていましたがこれだけしか書けませんでした。

記念すべき百五十話が少し短くなってしまいました。

申し訳ありません。

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